早稲田大学と慶應義塾大学は、一般的に「早慶」、あるいは「私学の雄」といわれているように、教育・研究、文化、スポーツ、卒業生の社会での活躍など、様々な分野で切磋琢磨していますが、同時に両校の連携も続けて参りました。
本年5月28日に就任したばかりの慶應義塾大学の伊藤公平塾長が、5月31日に早稲田大学田中愛治総長を訪問され、今後のより一層の連携を協議し、コロナ渦における教育や研究の課題についても意見交換しました。両校は今後も様々な分野でより緊密な連携を目指して参ります。
早慶での連携の最も緊密な例が、30年以上前から続いている両校の図書館サービスでの連携です。その歴史に新しいページを加えたのが、2019年からの本格的なシステム共同運用です。
1986年4月、「早稲田大学および慶應義塾の図書館相互利用に関する協定書」が締結され、両校の専任教職員・大学院生・学部生は図書館の相互利用ができる仕組みとなっています。その後、2017年5月、早稲田大学図書館と慶應義塾大学メディアセンター(図書館)は、日本初の図書館システムの共同運用に向けた覚書を締結し、2019年9月、図書館システム共同運用を開始しました。共同運用のメリットを活かすために、「早慶目録ユニット」を新たに立ち上げ、図書館システム上で国際標準形式の目録情報を共有することとしました。この結果、両大学に所属する研究者・学生は、1,000万冊以上になる早慶図書館の資料を同時に検索できるようになりました。そして、2021年3月からは、コロナ禍の状況に対応して、相手館を訪問せずとも利用証を発行し図書を取り寄せるサービスを試行的に行っています。さらなるサービスの拡張を進めていく予定です。