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産業用ヒートポンプシミュレーター

ヒートポンプ導入効果を定量評価できる「産業用ヒートポンプシミュレーター」を開発

―簡単な入力と操作でヒートポンプの導入検討のための時間とコストを大幅削減―

NEDO、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)、早稲田大学、(一財)金属系材料研究開発センター、(株)前川製作所は、産業用ヒートポンプの導入効果を定量評価できる「産業用ヒートポンプシミュレーター」(以下、本シミュレーター)を開発しました。
本シミュレーターは、簡単な入力と操作で、工場に産業用ヒートポンプを導入した場合の一次エネルギー消費量とCO2排出量を短時間で高精度に試算でき、産業用ヒートポンプの導入検討のための時間とコストを大幅に削減できます。今後、本シミュレーターを用いて産業用ヒートポンプの導入効果を具体的に示していくことで、未利用熱の有効活用を推進し、徹底的な省エネルギー化と地球温暖化防止への貢献を目指します。

図 開発した「産業用ヒートポンプシミュレーター」

1.概要

日本は、石油・石炭・天然ガスといった化石燃料を中心とする一次エネルギーの9割を輸入に頼っており、経済的・温室効果ガスの排出抑制・エネルギーセキュリティー維持の観点などから、運輸・民生・産業分野における省エネルギーが求められています。産業分野におけるエネルギー利用は、その多くが高温燃焼や蒸気ボイラーで生成される100℃以上の熱として消費され、多量の化石燃料の使用とそれに伴う温室効果ガスの排出につながっています。また、化石燃料から熱へとエネルギーが変換される際に、経済的あるいは技術的な理由で、その一部が使用されることなく排熱(未利用熱)として環境中にそのまま廃棄されています。

そこで、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)は、「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発※1」事業において、この未利用熱を熱源にして、従来の技術に対し競争力の高い産業用高効率高温ヒートポンプの市場導入と、その後の普及拡大による徹底的な省エネルギーの実現を目標に、2022年度までに最高200℃の熱を供給する産業用高効率高温ヒートポンプの開発※2に取り組んでいます。この産業用ヒートポンプを蒸気ボイラーやバーナーに替えて生産プロセスの加熱に利用することで、使用する化石燃料の削減効果が見込め、工場の徹底的な省エネルギー化と地球温暖化防止への貢献が期待できます。

しかしながら、産業用ヒートポンプの導入効果を適切に評価するためには、生産プロセスに適合した産業用ヒートポンプとその運転条件を選定し、その運転条件におけるエネルギー消費効率(COP)を用いる必要があります。また、このとき、実際の産業用ヒートポンプの運転条件に合わせた蒸気や温水の温度や熱源機器のエネルギー使用量の詳細な計測データに加え、場合によっては産業用ヒートポンプの試験データを取得する必要があり、導入検討のための時間とコストが多大にかかります。このことは、産業用ヒートポンプの導入の大きな障壁となっていました。

今般、NEDOは、TherMAT、学校法人早稲田大学(基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科 齋藤研究室)、一般財団法人金属系材料研究開発センター、株式会社前川製作所とともに、簡単な入力と操作により、工場に導入される産業用ヒートポンプの一次エネルギー消費量とCO2排出量を短時間で高精度に試算できる「産業用ヒートポンプシミュレーター」を開発しました。本シミュレーターの活用によって、産業用ヒートポンプ導入検討のための時間とコストが大幅に節減でき、飛躍的な普及につながります。今後、産業用ヒートポンプの導入効果を具体的な事例で示すことで、工場の未利用熱の有効活用が推進され、徹底的な省エネルギー化と地球温暖化防止への貢献を目指します。

なお、早稲田大学は、本シミュレーターの研究開発の詳細について、2020年9月9日から11日まで開催される「2020年度 日本冷凍空調学会 年次大会」(公益社団法人日本冷凍空調学会主催)で発表します。

2020年度 日本冷凍空調学会 年次大会

2.開発した「産業用ヒートポンプシミュレーター」について

本シミュレーターは、エネルギー管理士が簡単な操作で利用できることを目指して開発しました。

工場に導入予定のヒートポンプについて、想定する利用方法(タンクを介する循環加温の有無や、従来機器からの置換もしくは併用を前提とした予熱かどうか、また温水と冷水を同時に利用するか否か)を選択し、ヒートポンプの冷媒の種類や定格加熱能力、各時刻における給水温度や流量を入力するだけで、COP・加熱能力・一次エネルギー消費量・CO2排出量の見える化を可能とするもので、産業用ヒートポンプの運転条件に合わせた詳細な熱計測を行わなくてもその導入効果を短時間で高精度に試算できます。

「産業用ヒートポンプシミュレーター」の詳細については、別紙をご覧ください。

別紙(産業用ヒートポンプシミュレーターの詳細)

3.今後の予定

本事業で、TherMAT、早稲田大学、金属系材料研究開発センター、前川製作所は、具体的な事例における産業用ヒートポンプの導入効果について本シミュレーターを用いて示すとともに、ポンプ・タンク・弁などの生産プロセス全体の設計やエンジニアリングを可能とする「産業用ヒートポンプ導入支援ツール」として本シミュレーターを高度化します。また、本シミュレーターや産業用ヒートポンプ導入支援ツールを広く活用できるよう、これらの一般公開と標準化を目指します。

【注釈】

※1 未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発

プロジェクトリーダー:小原春彦氏(国立研究開発法人産業技術総合研究所 理事 エネルギー・環境領域 領域長)
事業期間:2013年度~2022年度(うち2013年度~2014年度は経済産業省にて実施)
事業予算:6.5億円(2020年度)

※2 最高200℃の熱を供給する産業用高効率高温ヒートポンプの開発

TherMATの組合員である(株)前川製作所と三菱重工サーマルシステムズ(株)は、工場の生産プロセスで廃棄されている80~100℃程度の未利用熱を回収し、160~200℃程度の高温熱媒をエネルギー消費効率(COP):3.5以上で供給するヒートポンプシステムの開発を行っています。また、このヒートポンプに必要な、新たな冷媒や圧縮機などの要素技術も、この2社が大学などと共同で開発しています。

 

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