新体育館が広げる本庄学院教育

新体育館が広げる本庄学院教育の可能性

2018年に起工した早稲田大学本庄高等学院の新体育館(早稲田大学96号館)が2020年2月に竣工いたしました。

新体育館と新校舎をグラウンド側から眺める

“使う・伝える・学ぶ”場の創出

2007年に男女共学へ移行し、2012年に敷地内の大久保山を下った場所に建設された「シンプルandモダン」の斬新なデザインが話題となった新校舎へ移転した本庄高等学院。しかし、体育館だけは、大久保山の頂上に位置する旧本庄高等学院校舎の西端にある旧来の建物を利用していました。

旧学院体育館

2020年2月に竣工した新しい体育館は新校舎西側に隣接し建設されたことで、生徒・教員ともに移動負担が減り、安心して利用できるようになりました。本庄高等学院の掲げる「多様なカリキュラムと豊かな学びの機会を提供する」という目的の実現に貢献すること、また生徒自らが自発的・能動的にコミュニケーションを行い、さらに発信につなげていく力を磨く実践的な場の創出を目指して、このたびの竣工に至っています。

グラウンド側からの新体育館

幾つもの丸い窓が特徴的な外観を持つ新体育館ですが、実は緻密な計算とデザインによって構成されています。物事の本質を学び取る場を目指したこの新体育館は、装飾性を排除し、意匠・構造・設備・音響・メンテナンスまでを総合的に融合させたデザインです。環境工学的には、建築物の表面積を小さくすることで、内部空間は外界からの影響が少なくなり環境的負荷を抑えることができます。同じ体積で表面積を最小化するには、凹凸がなくなり、直方体から立方体に近い形へ還元され、最終的にこのような平面計画となっています。

環境工学の知見が凝集した特徴的な外観

学院生活の中心地と直結する新体育館

地上3階建ての新体育館は、1階の通路のほか、2階で隣接する教室棟(早稲田大学95号館)と渡り廊下で連結しています。春からはこの廊下を学院生が活発に行き来する姿が見られそうです。

校舎とつなぐ空中廊下

新校舎と新体育館は2階部分で接続しています

コミュニケーションの場:お互いの活動が見えるように

2階のメインアリーナ(約1,440㎡)は、たとえばバレーボールコート3面分、バスケットボールコート2面分を展開できる広さです。体育の授業以外に、クラブ活動でバレーボール部、バスケットボール部、バドミントン部等が利用する予定です。
メインアリーナをはじめ、それぞれの空間は、お互いの活動が見えるように、そして生徒同士が影響し合えるような、あたかも“街の延長”のような場の創出を意図してデザインされています。生徒自らが能動的にコミュニケーションを行い、誰かに伝え、それが発信へとつながることが期待されています。

2階 メインアリーナ

コート頭上には照明を設けず、サイドから間接的に照らします

広々とした器具庫

1階には卓球や剣道、ダンスが出来る鏡壁のある多目的室、部活動の部室、トレーニングルーム、ミーティングルーム、シャワールーム、教員室が設けられています。

多目的室

広くなった部室は直接外部から入れるようになっています

トレーニングルーム(器具搬入前)

2部屋続きのミーティングルーム

シャワールーム

更衣室

洗面所

教員室

3階にはアリーナを取り囲むようにランニングコース(1周約160メートル)が設けられています。

ランニングコース

アリーナの周囲に設けられたこの「ランニングコース」は、その上下のチューブ状にまわした「チャンバー空間(設備スペース)」とともに、コンクリートによるダブルスキンとしています。これは、アリーナの大きな空間を支えるための構造であるとともに、自然換気や空調、音響、照明などアリーナでの活動を支える機能としての役割を担っています。

3階ランニングコースから新校舎を覗く

3階ランニングコースから2階アリーナを覗く

アリーナ壁面(入隅コーナー)のR形状や、壁面の無数の穴の大きさや位置は、空調の気流、音響、そして構造などそれぞれの詳細シュミレーションを実施して決定しています。さらに、ランニングコース部分の開口は、外壁と内壁のそれぞれの壁の穴を「年間を通して直射日光が入射しない関係性」を導き出し、穴それぞれの大きさと位置を決めています。

丸穴の位置を決定するためのシミュレーション

外壁丸窓からの直射日光通過シミュレーション

早稲田大学本庄高等学院体育館 概要

  • 名称:早稲田大学本庄高等学院Ⅲ期整備(体育館)新築工事
  • 建築主:学校法人早稲田大学
  • 総合監理:学校法人早稲田大学キャンパス企画部
  • 設計監理者:株式会社日建設計
  • 施工者:戸田建設株式会社(建築)/東光電気工事株式会社(電気設備)/斎久工業株式会社(機械設備)
  • 用途:高等学校(体育館、バス停の庇)
  • 敷地面積: 63,077.60㎡
  • 建築面積: 2,417.74㎡
  • 延床面積: 4,465.86㎡
  • 構造:地上RC造+S造(屋根)
  • 階数:地上3階
  • 工期:2018年7月~2020年9月(体育館引き渡し2020年2月10日)

早稲田大学本庄高等学院

1982年に埼玉県本庄市に早稲田大学として2番目の附属校として開校した本庄高等学院。当初は男子校として開校した本庄高等学院は、創立25周年となる2007年に男女共学に移行し、これをきっかけにキャンパスの再整備を進めて参りました。早稲田大学創立150周年(2032年)を見据え、2012年に定めた本庄高等学院の将来構想にて、広大なキャンパスと恵まれた自然環境の地域特色を活かして、「森に想い土に親しむ」教育を一層発展させた「大久保山学」をテーマに掲げ、教育・研究活動を通じて社会の各分野で活躍できるリーダー育成に努めています。

沿革

1882(明治15)年 東京専門学校創立

1902(明治35)年 早稲田大学と改称

1920(大正9)年 「大学令」による大学となる、旧制早稲田大学早稲田高等学院を設置

1949(昭和24)年 新制早稲田大学早稲田高等学院開校

1950(昭和25)年 早稲田大学早稲田高等学院を早稲田大学高等学院に改称

1956(昭和31)年 早稲田大学高等学院、練馬区上石神井に移転

1982(昭和57)年 早稲田大学本庄高等学院開校、本庄高等学院第一回入学式

2002(平成14年) 本庄高等学院、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクールに指定される

2007(平成19)年 本庄高等学院、男女共学となる

2012(平成24)年 本庄高等学院、新校舎・生徒寮竣工

2015(平成27)年 本庄高等学院、新図書室/新音楽室/稲稜ホール竣工

2018(平成30)年 本庄高等学院、女子寮竣工

2020(令和2)年 本庄高等学院、新体育館竣工

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/top/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる