顕彰状 周其鳳氏

周其鳳氏は1947年、中国湖南省劉陽市に生まれた。1970 年に中国北京大学化学学部を卒業すると同時に、同大学に助手として採用され、その後、同大学大学院に進学し、高分子化学を専攻した。1980年1月中国政府国費留学生として米国マサチューセッツ大学(UMASS)ポリマーサイエンス・エンジニアリング学部に留学し、1983年同大学より理学博士号を授与された。帰国後、1983 年から母校北京大学の教壇に立ち、1990 年から教授に嘱任され、その間、北京大学化学学院高分子科学・エンジニアリング学科主任、高分子科学研究所所長、大学院常務副院長、中華人民共和国国務院学位委員会辦公室主任、教育部大学院生管理辦公室主任、国務院学位委員会委員兼同委員会副秘書長、吉林大学校長等を歴任。2008年北京大学校長に就任し、現在に至る。

周氏は、長期にわたって液晶高分子学の研究およびハイレベルの人材の育成に従事し、特に “Mesogen-Jacketed Liquid Crystal Polymer”の分野の中国における開拓者であり、その独創的な発見が海外でも高く評価され、米国の学術専門誌に多数のSCI論文が収録されている。同氏の液晶高分子学分野での数多くの業績に対し、中国化学学会高分子基礎研究「王葆仁賞」、中国国家教育委員会「科学技術進歩賞(二等)」、中国「自然科学賞」(三等、代表受賞)等、多数の賞が贈られている。さらに、学会活動にも積極的に携わり、国際液晶学会(ILCS)『Liquid Crystals Todasy』、『中国高分子学報(Chinese journal of Polymer Science)』、米国『Polymer Composites』誌、『Macromolecules』誌、『Macromolecular Chemistry and Physics』誌等の論文審査委員、編集委員等を歴任し、高分子学研究分野をリードしてきた。その功績が認められ、1999年には中国科学院院士に選出された。また、教育分野では、中国科学院化学部門常任委員・副主任、中国国務院学位委員会化学学科評議委員会、中国教育部化学教育指導委員会委員等を務めており、中国の化学教育の発展に多く寄与した。

周氏は学者として、中国液晶高分子学の発展に力を注ぐ一方、中華人民共和国国務院学位委員会副秘書長、教育部大学院生管理辦公室主任、教育部学位と大学院教育発展センター主任などの要職も歴任し、中国の大学改革に大きく貢献するなど、教育行政面でもその手腕を遺憾なく発揮した。他方で、周氏は早稲田大学との学術・教育交流活動に対し深い関心を有し、北京大学校長就任後、両大学の共同教育研究運営機構の体制強化、ダブル・ディグリー制度の充実、共同大学院の設立準備等に主導的な役割を果してきた。アジア太平洋地域における「知の共創」を目指す本学としては、北京大学は最重要のパートナーであり、今後、北京大学との一層の交流活動の進展が期待されており、このような中国を代表する学者であり、北京大学校長である周氏に名誉博士の称号を贈呈することは誠に時宜にかなっているというべきである。

ここに早稲田大学総長・理事・監事・評議員ならびに全学の教職員は一致して 周其鳳氏に 名誉博士(Doctor of Science)の学位を贈ることを決議した。

学問の府に栄えあれ! 大学が栄誉を与えんとする者を讃えよ! (Vivat universitas scientiarum! Laudate quem universitas honorabit!)

2010年4月1日

早稲田大学

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