大使が語る「不思議な国キューバ」とは 高度な外交能力を持つ一面も紹介

2018年6月18日、早稲田大学ラテンアメリカプロジェクト主催の渡邊優駐キューバ特命全権大使講演会「キューバという国」を開催しました。

司会の畑惠子理事は挨拶で、早稲田大学ラテンアメリカプロジェクトの設置趣旨について、「日本とラテンアメリカ双方の経済を発展させ、文化交流を促進する事を可能にする実践的、具体的な高度人材育成を目指す」と紹介しました。

登壇した渡邊優大使は講演参加者に、キューバへ居住したことがあるか・滞在したことがあるかについて尋ねました。参加者のうち、居住経験者0名、滞在経験者はわずか2名でした。そんな未知の国キューバについて、大使は政治・外交・経済などから紹介していきました。

着任3年目を迎える大使にとっても、まだまだ「不思議な国」であるキューバ。普通の途上国のようにみえて、しかしまったく異なっているのは、キューバが社会主義国、共産主義国だという点です。「現代において、本気でまじめに社会主義国家を実践している国は世界でもキューバぐらいでは」と大使。その社会主義の原理と、キューバ共産党大会で示された経済改革の方向性がぶつかる現実がゆえに、経済政策が進みにくい──と、参加者に分かりやすい説明でした。

外交面においても、コロンビア和平合意の仲介国となったことや、1996年の在ペルー日本大使公邸占拠事件の際にキューバが果たそうとしていたエピソードを披露。日本ではあまり知られていない、高度な外交能力を持つキューバの一面についても紹介しました。

2018年4月、ラウル・カストロ氏が国家評議会議長を退任し、58歳と若いディアス・カネル新議長が就任しました。新議長について大使は「知識豊富で、知的好奇心も高い。行動的で、ユーモアのある方です。今後の国づくりに期待していきたい」と述べました。

参加者からは、キューバの文化や大学の仕組み、経済や今後の見通しなど、多岐にわたる質問がされ、キューバと日本について考える貴重な機会となりました。

最後に大使は学生を前に、「キューバという国は日本と全く異なる国。考え方も異なるが、相互に理解し尊重する必要がある。そのためには、よく知る必要がある。キューバだけでなく、世界にはいろいろな国があり、異なる点も当然多いが、グローバル化が進み世界とかかわっていく事が求められる今の時代においては、多様性を尊重する事が重要です」と強く訴えました。

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