政研 J-School 院生がロボティクス・ラボを訪問 学生間アクティブ・ラーニングと研究アウトリーチを実施

2017年6月16日、早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース(通称 J-School)の大学院生が本学大学院理工学研究科の岩田浩康教授の研究室を訪れ、ロボティクス研究について、学生間のアクティブ・ラーニングと研究アウトリーチが行われました。J-Schoolはジャーナリズム職を目指す大学院生のための教育機関です。このJ-Schoolで開講している「科学広報・コミュニケーション論」の中で講義方針としている「主体的な学び、交流しあう学び」に岩田教授が賛同し、岩田研究室の大学院生たちの主体的な協力によって、実現したものです。

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昨今、文部科学省は、高等教育機関における主体的な学びの確立を推進しています。その中でもアクティブ・ラーニングは学びの方法として注目されています。もともと大学の授業でもこのような学びは行われており、2012(平成24)年8月の中教審答申では「学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る」能動的学修のことだとしています。また、政府は同時に、研究者自身が国民一般に対して行う双方向的なコミュニケーション活動としてのアウトリーチ活動を推進しています。科学技術が社会全体にとって望ましい方向で発展していくためには科学技術自体や研究者等の活動が国民に正しく理解され、信頼され、支持されることが不可欠であり、自らが社会の一員であるという認識をもって、研究者が国民と対話しながら信頼を醸成していく必要があると宣言しています。

当日は、岩田研究室の大学院生が自分の担当するロボティクス研究について、J-Schoolの大学院生に実際に触ってもらったり、体験をしてもらったりしながら、専門分野について熱心に説明する姿がありました。

科学コミュニケーションに用いたロボットは以下のとおりです。

  • 急性期リハにおける逆モデル崩壊を抑制する対称性下肢運動補助RT
  • 聴覚バイオフィードバックを用いたスポーツ技能支援RT
  • 妊婦検診の時空間的制約を解消する超音波検査ロボット
  • 高齢者の運動増進を支援する社会交流促進ロボット
  • 生活支援のための“第3の腕”の開発
  • 高分子超薄膜を用いた廉価版皮膚接着型生体センサとRFIDシール

例えば「聴覚バイオフィードバックを用いたスポーツ技能支援RT」では、バレーボールやバッテイングの技能支援技術を体験する装置を装着して、その技術を体感し、学生同士が熱心に討議しあう姿がありました。

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写真:J-Shoolの学生が自ら撮影した写真。笑顔でお互いが学びあう(出典:J-School大学院生)

「高分子超薄膜を用いた廉価版皮膚接着型生体センサとRFIDシール」では技術の社会的応用について、岩田研究室の大学院生から説明がなされ、教えられたJ-Schoolの大学院生は能動的に質問し、同世代間の科学コミュニケーションを楽しみながら熱心に学ぶ様子がみられました。

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学生間で研究について討議する(出典:研究戦略センター)

授業の後半は、全員で大きな輪をつくり、質疑応答が行われました。ロボティクスや岩田研究室の研究活動について学習し事前に提出された質問に対し、岩田研究室の大学院生たちが積極的に応答し説明しました。

J-Schoolの大学院生は「岩田先生のラボを訪問するという貴重な機会を通して普段ならなかなか見聞きするチャンスのない非日常を体験させていただき、ものすごく勉強になりました。非日常的な体験とはいえ、実際に目にした数多くの研究成果は私たち人々の日常に非常に緊密な関係のある技術だと実体験を通して分かりました」「先端ロボット技術に関する色々な解説を伺うと同時に、これまで自分が「ロボット」に対する認識が表面的な知見に過ぎないとのことも分かり、ロボットは単なる人造物の機械ではなく、人間の拡張の一種であるとの新しい認識を得ました」といった感想がありました。

また、岩田研究室の大学院生は「自分の研究を言語化し、異分野の方に伝える機会をいただけて大変貴重な体験でした」等と述べ、それを受けた岩田教授は「文理融合人材の交流と教育によって、私たちの研究成果が社会により理解されることにもつながります。今後とも教育、研究の両側面で、このような活動に協力していきたいと思います」と述べました。

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写真:学生同士の質疑応答。先生は見守る(出典:研究戦略センター)

参考
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