世界初となる総合的なソフトウェア製品品質実態定量化と評価枠組みの確立

世界初となる総合的なソフトウェア製品品質実態定量化と評価枠組みの確立

独立行政法人情報処理推進機構の「ソフトウェア工学分野の先導的研究支援事業」結果公開

早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所(所長:鷲崎弘宜(わしざき ひろのり)理工学術院教授)が、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(東京都港区赤坂、会長:荻原紀男、以下「CSAJ」)との協力のもと、「測定評価と分析を通じたソフトウェア製品品質の実態定量化および総合的品質評価枠組みの確立」をテーマとした研究成果を取りまとめました。

本調査研究は、市販されているソフトウェア製品について、国際規格ISO/IEC25000(SQuaRE)シリーズに基づくメトリクスによってその品質を調査し定量化を図るとともに、品質評価の指標を策定するものです。本研究テーマを、独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)が公募した「2015年度ソフトウェア工学分野の先導的研究支援事業(RISE:Research Initiative on Advanced Software Engineering)」に申請/採択の後、2年間で実施され2017年4月20日に公開されました。具体的には、PSQ認証取得企業を中心に本調査に協力した21製品を対象に、異なる品質間の関係を総合的に実証した世界初のベンチマークとなり、Waseda Software Quality Benchmark(WSQB2017)と名付けて一般に公開されました。さらに結果に基づき産業界等への提言をまとめました。

『測定評価と分析を通じたソフトウェア製品品質の実態定量化および総合的品質評価枠組みの確立』報告書

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本研究の企画・実施、および研究成果の周知には、国際規格ISO/IEC25051に基づくソフトウェア製品の第三者品質認証制度である「PSQ認証」を運営するCSAJが全面的に協力し、早稲田大学と共同で、日本のソフトウェア製品開発企業における製品の効率的かつ効果的な品質向上と確保を目指しました。CSAJ及びPSQ認証事業は本研究を引き続きテーマとしてゆく早稲田大学との連携体制と協力関係を継続し、産学連携を進めます。その第一弾として本研究の結果公開を周知するためのセミナーを早稲田大学と協力のもと6月2日に実施予定です。

研究概要について

テーマ

「測定評価と分析を通じたソフトウェア製品品質の実態定量化および総合的品質評価枠組みの確立」

目的

ソフトウェア製品の開発側や運用側において、開発・保守・運用中あるいは運用検討中のソフトウェア製品の品質を、客観的、定量的かつ総合的に評価可能とし、評価結果を開発・保守における品質改善や取捨選択の判断材料に役立てること。

調査研究期間

2015年6月1日~2017年2月14日

調査内容

ソフトウェア、システム、利用におけるビジネス(業務活動)の全てのレベルにおいて、国際規格ISO/IEC 25010規定の品質モデルに基づき、国際規格ISO/IEC 25022および25023における測定法を具体化させて品質測定法をまとめます。その際、内部品質の測定については、同研究所がこれまでに考案し実用化しつつある設計モデルおよびソースコードに対する測定法を応用して組み入れます。この測定結果について、個々にISO/IEC 25051に基づき品質を評価および傾向を分析すると同時に、異なる品質間の関係を分析、最終的にこれらの測定法、評価分析の方法、その多数の実ソフトウェア製品群への適用を通じた結果をすべて枠組みとしてまとめあげました。本調査研究は、グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所が調査主体となり、CSAJを通じて2年間で21製品の調査研究対象製品で実施しました。

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成果と提言

調査研究結果は、IPAまたは早稲田大学を通じて一般公開しております。公開する品質実態は、異なる品質間(内部品質/外部品質/利用時の品質)の関係を総合的に実証した世界初のベンチマークとなりWaseda Software Quality Benchmark(WSQB2017)と名付けて一般公開しました。国内ソフトウェア製品開発企業各社はこれを自社製品の品質と照らし合わせることで、当該品質の日本の業界における位置づけを容易に把握可能とし、製品の効率的かつ効果的な品質向上に貢献できると考えています。さらに以下の5つの提言をまとめました。

  • ソフトウェア産業界への提言: (1)IoT時代に最重要なセキュリティや互換性が一部低い製品が見受けられたため品質に対する意識の変革が望まれます。(2)機能的適合性の作りこみの結果として使いやすさが損なわれている可能性があり、品質の検討におけるユーザ中心の取組みが求められます。(3)データの未記録や品質目標の未設定により測定評価できない品質特性が見受けられたため、組織的な品質評価と改善に向けて本調査の成果を参照してデータの記録や目標設定が望まれます。
  • 国際標準化団体への提言: (4) SQuaRE シリーズの品質測定方法の多くは抽象度が高く定義のままでは適用困難であるため、本調査研究において具体化した枠組みを組み入れて規格シリーズとしての実効性を強化することが望まれます。(5)SQuaREシリーズは最近のアジャイル開発やプラットフォームとしてのクラウド等に対する考慮を幾らか欠いている可能性があり今後の対応強化が期待されます。

また、CSAJにおいても、早稲田大学の許可のもと、本調査結果をwebサイトやセミナー等を通じて会員企業に広く周知することで、より一層の普及を図り、ソフトウェア産業全体の品質向上に寄与する考えです。あわせて、本調査研究によって成果として得られた品質測定評価の枠組みは、CSAJが運営する「PSQ認証制度」における製品評価に組み入れることで、継続して適用およびデータ収集を通じた分析を可能となります。

お問合せ先

早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所

tel:03-5286-3272
e-mail: rise2015@list.waseda.jp

一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)事務局PSQ認証室

tel:03-3560-8452
e-mail:psq_info@csaj.jp

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