早稲田まちづくりシンポジウム2016「まちづくりのこれまでとこれから まちづくりの未来力」が、7月9日、10日、早稲田キャンパスで開催されました。学内外から、2日間でのべ500名を超える参加者が集まり、技術、実践、文脈、社会、復興というテーマでまちづくりについての議論を行いました。
早稲田まちづくりシンポジウムは、まちづくりの研究、研鑽、会員相互の交流を行う早稲田都市計画フォーラムと早稲田大学都市・地域研究所等が中心となって毎年開催しており、今回で24回目を迎えます。
今年度は、イギリスの都市理論家であるPatsy Healey氏を迎え、近著『Making Better Place』から「計画」と「場所」という視点を引き、全部で8セッションに分かれ、「まちづくり」の社会的位置づけについて議論が行われました。

講演を行うPatsy Healey氏
セッション3「地域持続のためのまちづくり 凝縮するコンパクトシティの実践論」では、夕張市の事例を基に、コンパクトシティは喫緊の課題であり、住民と協働して取り組むことが重要であるとの議論が交わされました。セッション5「もうひとつのまちづくり 復興・創生のイニシアチブとフィールドデザイン」では、阪神淡路大震災や東日本大震災での復興の経験を基に、地域が主導して復興まちづくりに取り組むことや、震災への事前の備えを行うことが必要であると強調されました。

セッション3での議論の様子
市民同士の信頼に基づく集団的行為や、新しい文化的現象をつくる行為などが、まちづくりの「未来力」となりうるのではないか。最終セッションでは、「まちづくりのこれから」について、会場も交えた活発な議論が繰り広げられました。