劇団サンプルワークショップ『世界を着せ替える』 テーマはドラマチック 早稲田小劇場どらま館にて開催

2015年12月8日(火)~14日(月)、早稲田小劇場どらま館において、本学と共催で劇団「サンプル」による演劇ワークショップ『世界を着せ替える』が開催されました。講座は、戯曲・演出、演技、舞台美術、舞台監督、音響、照明、衣裳、宣伝美術、ドラマターグの全9講座で、参加者は1コマずつ、自身が受けたい講座を選択して受講しました。

DSC_1477 ワークショップは、スタッフワークである舞台美術、音響、照明などについても全て、技術についての話だけでなく、それらの作業がその演劇作品にとってどのような役割を持つのかということを考えるための内容で、目・耳・鼻・舌・皮膚の五官をフル活用したものでした。最終日の14日(月)には劇団「サンプル」作品に欠くことのできない俳優、古屋隆太氏(1999年教育学部卒業、公認サークル劇団しん出身)が《演技》の講師を務め、参加した学生たちは熱心に講師の話に聞き入り、自らの感覚を研ぎ澄ましている様子でした。

参加学生の声

来年、自分で主宰の舞台をやってみようと考えている中で、さまざまなスタッフワークを知っておきたいと思い受講しました。今回の俳優講座で取り上げられたエクササイズが、台本を初めて手にした時の「初見」の力でした。あらかじめ与えられたセリフのことを考えるのではなく、相手に集中し、次のセリフだけを伝えることにトライしました。相手に意識を向けなければ、伝えたいことは伝えられません。また、相手との間に何が起こるかも分かりません。このワークショップに参加し、密度の濃い集中力が体感・体験できたことは大きな成果でした。(政治経済学部 4年 小早川 俊介)

主催者からのメッセージ

今回のワークショップは、全てが入門編。今日の俳優講座で取り上げたようなエクササイズは、持続性がカギで、1回やったことをどこかの現場で試してみてもらい、腑に落ちるところまで辿り着けるといい。忘れてしまった時には、再度ワークショップで思い出せるとスキルとして定着させることができるでしょう。今後の展開としては、早大生対象に俳優部門に特化し集中的に実施するものや、個人史から物語を創る生涯学習としてのワークショップ、子供のための身体コミュニケーションワークショップなどが、この劇場で定着すると非常に素晴らしいと思います。早稲田小劇場どらま館はサイズがいい。俳優の息づかいや汗を、客席から間近に、俳優と同じ感覚で観ることができるというのは演劇にとって重要です。(松井 周)

左から、劇団サンプル主宰者の松井周氏、参加学生の小早川さん、講師の古屋氏

劇団サンプル プロフィール

劇作家・演出家・俳優である松井周が主宰する劇団。松井周は1996年に平田オリザ率いる劇団「青年団」に俳優として入団し、劇団若手自主企画公演『通過』(2004年・第9回日本劇作家協会新人戯曲賞入賞)、『ワールドプレミア』(05年・第11回同賞入賞)、『地下室』(06年)、『シフト』(07年)を経て、07年9月『カロリーの消費』により劇団「サンプル」を旗揚げ、青年団から独立。一般的な価値観を反転させ、人間関係やコミュニケーションについての幻想を打ち砕いた虚無的な世界を描き、同世代を中心に高い支持を得ている。作品が翻訳される機会も増え『シフト』『カロリーの消費』はフランス語に、『地下室』はイタリア語に翻訳されている。『家族の肖像』(08年)と『あの人の世界』(09年)で第53、54回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネート。『自慢の息子』(2011年)で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。今年10月8日(木)~18日(日)には早稲田小劇場どらま館において、『離陸』の公演が行われた。ウェブサイト。

早稲田小劇場ネクスト・ジェネレーション募金とは

本学は「早稲田小劇場どらま館」を早稲田演劇振興の中核的拠点と位置づけ、早稲田演劇の伝統を継承・発展させ、次代を担う演劇人を多数育成することを目指し、これを実現するため、WASEDAサポーターズ倶楽部を通じた募金「早稲田小劇場ネクスト・ジェネレーション募金」を実施しております。今後も今回のワークショップのような事業を、引き続き実施してまいります。皆さまの温かいご支援を、心よりお願い申し上げます。

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