早稲田大学は、2012年11月に中長期計画「Waseda Vision 150」を策定し、創立150周年を迎える2032年のあるべき姿を定め、その実現に向けて13の核心戦略のもとに69のプロジェクトを設定しています。
2015年度は、各プロジェクトの活動をさらに推進するとともに、社会に貢献する大学として時代の要請に応えられるよう、様々な取り組みを行っていきます。本学の事業計画の中から特色ある取り組みについて、3回にわたってご紹介していきます。
Waseda Vision 150実現へ向けた教育・研究事業の推進
(1)「Waseda Ocean 構想」の推進
グローバル人材の育成を第一目標に掲げる「Waseda Vision 150」、その加速化プログラムである「Waseda Ocean 構想」が、昨年スーパーグローバル大学創成支援(SGU)に採択されました。世界を牽引し、世界に貢献する大学であり続けるため、世界に向けて大学を開放し、ダイナミックな頭脳の国際的流動の中で、教育・研究の質と量の飛躍的向上に着手します。
2015年度は特に、「Waseda Ocean 構想」における事業推進の軸である6つのモデル拠点(日本文化学・ナノエネルギー材料工学・実証政治経済学・数物系科学・健康スポーツ科学・ICTロボット工学)に対して先行して集中的に投資を行い、新たな国際的教育・研究プログラム構築に向けた教育・研究環境整備を支援し、その取組や成果等を積極的に発信することを目標とし、以下の事項を実施します。
- 世界トップレベルの教員を招聘し、共同指導や共同研究等を通じて人材育成や研究力の向上に取り組みます。
- 連携大学等とのネットワークを活用する国際的なインターフェースを持つ教育・研究システムを構築します。
- 国際ワークショップ、シンポジウムを開催し、教育・研究活動の活性化を図るとともに、研究成果を国内外へ発信します。
- 海外の協定大学と連携し、学修効果が高く国際的に通用する授業運営方法を修得する実践的なFDプログラムを実施します。また、ワシントン大学と連携したプロジェクト(Joint CTLT)により新たな教授法の開発に着手します。
- モデル拠点の本格的な稼働に合わせ、各拠点の事務組織のさらなる整備や教育・研究用スペースの整備を進めます。
(2)世界水準の優れた研究を推進するための整備・改革の加速化
世界水準の優れた研究を推進するため、国際的に通用する研究体制・環境の整備を精力的に取り組みます。
研究活動の企画・マネジメントや研究成果の利用促進を行う研究マネジメント人材(URA:University Research Administrator)を活用し、競争力のある研究への加速化支援、先駆的な研究分野の創出、世界水準の研究環境整備といった集中的な研究環境の改革を効果的に組み合わせた取り組みを行います。
具体的には、次代の早稲田の研究力の担い手となる研究者を選定し、集中的な研究支援、環境整備を行う「次代の中核研究者育成プログラム」を2015年度より試行的に実施するとともに、本学の多様な研究組織の活性化と自己改革機能の強化を目的とした取り組みを2015年度に具体化し、実施を目指します。
また、大規模な研究を主導的に推進している研究者および国際発信力の高い研究業績をあげている若手研究者を表彰する「早稲田大学リサーチアワード」を2015年度も引き続き実施します。
これらの取り組みは、文部科学省「研究大学強化促進事業」等を活用しながら実施し、2015年度は外部資金を含む総額113億円規模で研究を推進していきます。
(3)教員増を伴う学術院等将来計画の支援
学術院等による「Waseda Vision 150」の理念と数値目標の達成に寄与する積極的な改革案と、その将来計画を支援することで「Waseda Vision 150」の実現を加速させていきます。
2023年度までの第1期および2024年度~2032年度までの第2期で、それぞれ80人の教員を増員し、合計で約160人の教員を増員(2012年度比)します。この増員枠については、「Waseda Vision 150」の理念との関連性、核心戦略・数値目標の実現への貢献、教育・研究の国際展開や発信力への寄与、外国人教員・女性教員増の計画、テニュアトラックの推進、外部資金獲得のこれまでの状況と今後の計画等を主な評価項目とし、教育システムの計画を総合的に評価した上で、教員の増員を中心として各学術院に対し財政的支援を一定期間(3~5年程度)実施していきます。
2015年度は、各学術院からの募集受付、審査を経て、各学術院の教育システムを支援していきます。
これらの取り組みをはじめとする本学の事業計画に関する詳細は、「2015 年度事業計画書」をご覧ください。