Notice大切なお知らせ

「すべての偉業も現実のものとなる前はアイデアでした」 ヘンリー・キッシンジャー氏 名誉博士贈呈式記念講演

白井総長、各国大使閣下、ご来場の皆様、私の大変親しい友人の数名を輩出し、非常に卓越した功績で著名な早稲田大学から名誉博士号を授与されましたことを大変光栄に存じます。とりわけ、早稲田大学の傑出した卒業生でもあり、今回の記憶すべき日本訪問に私を招聘して頂いたフジテレビの日枝会長には本日の式典に私に対して敬意を表してご臨席頂きまして光栄に存じます。

20070401入学式1-(86)

 私は自らの比較的長い人生において世界における多くの変化を経験して参りました。私の育った時代には米国と日本は互いに敵対国でした。しかしながら私の人生の50年以上に亘って両国の偉大な国民の間の友好の発展を目の当たりにして参りました。

今、我々の生きている世界とこれから新入生のみなさんが創り上げる世界も日米両国間の国民同士と指導者同士の緊密な友好と緊密な協力を抜きにしては考えられません。このことは今や恒久不変であり、日々の戦術における動揺によって揺るがすことはできません。

これから世界に羽ばたかれる新入生のみなさんには、まさに大きな機会が待っています。私が国際政治を専攻した時代には、国際政治の中心は米国と欧州の関係でした。今や世界の中心が大西洋から太平洋に動きつつあります。50年前はアジアで唯一、長距離外交を行ってきたのは日本だけでした。しかしながら今日では、その相互関係が平和と発展の道筋を決定付ける国が複数あります。

私が国務長官を務めていた時代には、携帯電話、インターネット、ファックス等の今の生活に不可欠となった機器はいずれもありませんでした。私が国務長官を務めていましたのは、ほんの30年弱前です。当時、緊急事態の起こった時に国務省の部下から私に連絡がとれる方法は、自動車無線しかなかったことから、首都ワシントンのすべての大使館が国務長官と部下の会話を傍受できたことを意味していました。

その当時だれにも想像できなかった気候変動、環境、エネルギー、大量破壊兵器の拡散等の全く新しい一連の問題が今や発生しています。これらの新しい問題を国際社会は解決していかなければなりません。これらの問題に共通する特徴は、一国だけでは解決できないことです。したがって地球規模で国際協力する必要があります。

哲学者は何世紀にも亘って国際協力の必要性を著してきました。

我々の生きている時代は、今、国際協力の必要性を否応なく迫っています。したがって新入生のみなさん、自らの目標とする大志を達成するために今から備え始めて今後長年に亘って取り組んで行くことのできるみなさんは前途洋々で、新入生のみなさんの活躍が大いに期待される時代が待っています。

すべての偉業も現実のものとなる前はアイデアでした。新入生諸君には多くの卓越したアイデアを学業において創造と発展させてその後の進路において実現して飛躍されることを期待しております。

200年以上前にドイツの哲学者のカントはやがて世界平和が到来すると著しました。残された唯一の問題は、その平和が人類の洞察によってもたらされるのか、それとも人類に他の選択肢を何も与えない性質の複数の破局的な大激変によってもたらされるかです。

新入生のみなさんのご健闘と今後の飛躍をお祈りしますとともにみなさんが人類の洞察に貢献することによって平和と発展に寄与されることを期待するとともに確信しております。

誠にありがとうございました。

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