• Featured Article

輝く未来への挑戦をともに

  • #CAMPUS NOW
  • #Vision 150
  • #校友

Wed 05 Mar 25

  • #CAMPUS NOW
  • #Vision 150
  • #校友

Wed 05 Mar 25

2032年に創立150周年を迎える早稲田大学。本格始動する「150周年記念事業」を前に、2024年10月に記者会見を行いました。登壇した田中愛治総長、150周年記念事業推進委員会委員長を務める中田誠司氏の会見から、記念事業の全体像をお届けします。

(本記事は早稲田大学広報誌『西北の風&CAMPUS NOW』No.254 2025年1月号より一部抜粋、再構成しています)

早稲田大学の150周年記念事業

記者会見では田中愛治総長より、2032年以降の本学のあるべき姿について、実現するためのシナリオが語られました。

記者会見では田中愛治総長より、2032年以降の本学のあるべき姿について、実現するためのシナリオが語られました。

建学の精神に立ち返り 世界人類への貢献を目指す

早稲田大学の創立者である大隈重信の言葉『一身一家一国の為のみならず、進んで世界に貢献する抱負が無ければならぬ。』には、建学の精神が集約されています。本学はこの精神に立ち返り、「世界人類に貢献する大学」に進化するための150周年記念事業を進めてまいります。

記念事業は三つの柱で構成されます。人類に寄与する独創的な“研究”、人材を育成する“教育”、最終目標である社会への“貢献”です。それぞれの司令塔として、2013年に設置した全学共通教育の「Global Education Center(GEC)」に加え、2024年4月には社会的インパクトのある研究を推進する「Global Research Center(GRC)」、人類への貢献に向けたビジョンの旗振り役となる「Global Citizenship Center(GCC)」を新設しました。

研究、教育、貢献で発揮される 早稲田大学の総合知

三つの柱のうち、研究では世界人類への貢献に資する課題に重点的にアプローチします。まず、実現を目指す貢献ビジョンは、「人(自然災害から人命を救う)」、「世界(戦争・紛争の無い世界に)」、「地球(気候変動問題の解決)」です。ロボット領域における先進的な実績、国際機関や企業とのネットワークなど、本学のさまざまなリソースを生かすことができるでしょう。そして文理融合の“総合知”による方法論を提示することで、総合大学として飛躍的・共創的研究の社会実装を進めてまいります。

教育では、“総合知”の基礎を育むべく、GECにて全学共通教育を展開してきました。基盤教育の中心は、「データ科学」「数学」「情報」「アカデミック・ライティング」「英語」です。例えばデータ科学では、2019年よりAIによるビッグデータ解析の講義を導入するなど、変化する社会の要請に応じたプログラムを構築しています。また、学部を横断した「副専攻」、英語のみで学位を取得できる「英語学位プログラム」を導入し、学際的・国際的人材を育成する体制の整備も進めてきました。

貢献においては、GECと連携して「人間的力量」の教育を、GRCと連携してビジョン共有型ユニットの形成・推進を強化します。また現在ウクライナより5名の学生を受け入れていますが、今後も難民救済、地域貢献や都市活性化を通じ、社会貢献の輪を拡大したいと考えています。

早稲田大学教旨には「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」掲げられる。この精神を礎に、それぞれ研究、教育、貢献へと応用することが、150周年記念事業のビジョンとなる

早稲田大学教旨には「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」掲げられる。この精神を礎に、それぞれ研究、教育、貢献へと応用することが、150周年記念事業のビジョンとなる

社会変革を牽引する覚悟で日本の“AX”を実現させる

三つの柱からなる記念事業を実現するためには、環境や体制の整備も欠かせません。海外とのネットワークを強化し、国際頭脳循環システムを構築することで、2032年までに全ての学部生を留学させる方針です。また国際的競争力を高めるべく、国際公募や待遇向上などにより、優れた研究業績を有する教員を採用していきます。さらに2040年までには、全ての専任教員の採用は日本語以外の言語(主に英語)で研究と教育を行えることを条件にします。

グローバル水準の研究教育環境を実現するため、キャンパスも改革します。2027年には、早稲田キャンパス9号館跡地に建設中のE棟(仮称)の利用が開始予定です。西早稲田キャンパスの4棟も解体・再構築し、教育機能や実験施設などを拡充し、2032年までに順次利用を開始させます。高大接続の方針の下、論文執筆や数学教育を強化している早稲田大学高等学院では、最高レベルの教育環境に向けて上石神井キャンパスの整備を進めています。そして未来の早稲田の姿に共感いただき、記念事業を広く発信し、積極的に後押しいただくための「150周年記念事業推進委員会」を2025年10月に発足します。推進委員長を務めるのは、大和証券グループ本社取締役会長で政治経済学部出身の中田誠司さんです。金融を起点に幅広い領域を理解する力を借りたいと、このたび協力を依頼しました。

早稲田大学は、日本の“AX(アカデミック・トランスフォーメーション)”を実現します。日本の研究・教育のあり方を進化させ、社会変革を牽引する覚悟で事業に挑みますので、ぜひご理解とご協力をお願いいたします。

ビジネス界のリーダーが、大学改革に参加

未来世代が集う大学で日本の大学のプレゼンス向上に貢献したい

株式会社大和証券グループ本社取締役会長の中田誠司氏が登壇し、委員長就任に向けた抱負を述べました。

株式会社大和証券グループ本社取締役会長の中田誠司氏が登壇し、委員長就任に向けた抱負を述べました。

150周年記念事業推進委員会のオファーをいただく以前より、早稲田大学で評議員会副会長などを務めていた私は、田中総長の改革を目の当たりにしてきました。建学の精神に立ち返りながら、現代社会の課題に真正面から対峙し、日本を牽引する姿勢に強く共鳴し、実現のお役に立ちたいと、このたびの就任を引き受けました。大学は、未来を担う若い世代が集う場です。その発展に、私は大きな可能性を感じます。大学を起点に、思想や文化の垣根を越えて人とつながりながら、一つの課題に取り組める本事業は、企業活動とは異なるやりがいがございます。

150周年記念事業は、過去の栄光を祝うのみならず、むしろ2032年の先にある2050年を見据え、世界に貢献するビジョンを示すものです。早稲田大学が記念事業を進め、その取り組みが日本の大学が目指す道となり、さらに世界における日本の大学のプレゼンスが向上することを、切に願っております。

そのためには卒業生たちが現在の早稲田大学の事業を知り、多様な形で関わっていただくことが第一歩になります。どうか皆さま一人ひとりのご支援への参加を、お願い申し上げます。

中田誠司氏プロフィール
1960年東京都生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部卒業後、大和証券入社。投資銀行業務を中心にキャリアを重ね、企画・人事副担当の役員時には大和ネクスト銀行の立ち上げや不動産アセットマネジメント会社の買収など、事業拡大を主導。2009年大和証券グループ本社取締役兼常務執行役、2017年同社代表執行役社長を経て、現在同社取締役会長。

2032年に向けた注目のトピック

グローバル水準の研究教育環境の拡充

現在建設中の早稲田キャンパスE棟(仮称)は、現代の新たな「早稲田の森」の表現がコンセプト。学生の主体的・対話的な学びのニーズに応える最先端の学習環境、オープンイノベーションを推進するコモンスペースを整備します。また、西早稲田キャンパス再整備工事では、52~54および59号館の建て替えにより、施設の狭隘化解消を実現。学びのスペースの分散配置、研究スペースの拡充を図ります。

「早稲田の森」をコンセプトに、大隈重信銅像の背後に整備する「木立のひろば(仮称)」の完成予想イメージ

「早稲田の森」をコンセプトに、大隈重信銅像の背後に整備する「木立のひろば(仮称)」の完成予想イメージ

統合報告書を発表し、情報公開を強化

「世界人類に貢献する大学」として、早稲田大学の価値や戦略、事業成果をお伝えするため、本学では初めての試みとなる「統合報告書 -Vision Report- 2023-2024」を、2024年10月にリリースしました。150周年記念事業のもとで進められる研究、教育、貢献の具体的な取り組み、財務情報やSDGs報告を掲載することで、幅広いステークホルダーの皆さまへの情報公開を強化します。

>>>「統合報告書 -Vision Report-2023-2024」へ

写真左より、齋藤美穂(早稲田大学副総長)、田中愛治(早稲田大学総長)、中田誠司氏(150周年記念事業推進委員会委員長)、須賀晃一(早稲田大学副総長)

写真左より、齋藤美穂(早稲田大学副総長)、田中愛治(早稲田大学総長)、中田誠司氏(150周年記念事業推進委員会委員長)、須賀晃一(早稲田大学副総長)

LINK
Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/top/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる