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【わせとしょ探検隊!】第4回 逍遙文庫を探ってみよう!

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こんにちは!早稲田大学図書館ボランティアスタッフLIVSの河合です。
「わせとしょ探検隊」も既に4回目。私は昨年度、クリスマスカードのはじまりについて迫った記事を担当しましたが、今年もたくさんの「お宝資料」が発掘されているようですね!

早速ですが今回のテーマは…「坪内逍遙」!
というのも、発端はLIVSメンバー原さんによる記事 わせとしょ探検隊!第2回「早稲田に眠る秘密のレシピを発掘せよ!」を読んでいたときのことでした。
彼女は「わせとしょレシピ」を探すべく地下書庫を探索していたのですが…最後に気になるワードが出てきます。「逍遙文庫」…って、なんだろう?
そこで第4回では早稲田にゆかりのある人物、坪内逍遙と彼の蔵書である逍遙文庫を掘り下げていきたいと思います!

坪内逍遙って?

皆さん、「エンパク」はご存知でしょうか?
早稲田キャンパスに来る機会がない方には、あまり馴染みがないかもしれませんね。

正式名称は「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館」といいます。3号館と7号館の間を進んでいったところにある建物です。

 
※地図は「演劇・映画の世界にふれよう 演劇博物館閲覧室」『りぶまぐ!』2017, vol.2, p.7-8.より
詳しくは「早稲田人名データベース」『坪内逍遥事典』を参照してほしいのですが、坪内逍遙は小説家・翻訳家・劇作家などとして活躍した人物で、早稲田大学の教授でもありました。彼が特に力を注いでいたのが、シェイクスピア全集の翻訳です。演劇博物館は、彼の古希とシェイクスピア全訳を記念して創設されたと、演劇博物館ホームページ「当館について」で紹介されています。

エンパクでは演劇関連の資料が閲覧できるのはもちろん、様々な展覧会・イベントを行っています。上映会やワークショップをはじめとしたイベントの内容は、演劇だけでなく映画・落語など多岐にわたっています。
中央図書館では、そんな坪内逍遙の旧蔵書の一部が「逍遙文庫」と名付けられています。逍遥文庫について述べた『ふみくら:早稲田大学図書館報』の説明によると、蔵書の中で演劇関係のものは演劇博物館へ、地誌は熱海図書館へ。中央図書館で保管されているのはその他の部分にあたります。内容は文学・歴史・風俗など幅広く、貴重な資料です。

逍遙文庫を探してみる

逍遙文庫について調べてみましょう。
資料を探すときに重要なのが、請求記号です。今回のような特殊コレクションは、早稲田大学図書館の特殊コレクション(文庫)のページから詳しく調べることができます。


逍遙文庫のところを確認すると、どうやら「文庫6」として配架されているようですね。
配架場所は4階の貴重書庫・地下1階の研究書庫とあります。
では、ここで地下書庫の地図を見てみましょう。


ありました!地下1階の奥ですね。
地下書庫は書架がずらりと並んでおり、前後左右がわからなくなりそうですが…そんなときは天井を見上げてみましょう!赤と緑の蛍光灯が目印となります。
今回は、緑の蛍光灯を目印に進んでいくとよさそうですね。

それでは早速向かってみましょう!

Let’s go 地下書庫!

それでは先ほどの地図を参考に、地下書庫を探索してみましょう。


逍遙文庫の棚まで来ました。操作ボタンを押して電動書架を開けてみます。
電動書架は一区間につき一箇所しか開けることができません。先客がいないかどうかよく確認してくださいね。ちなみに、用事が終わったら電気を消してから立ち去るのがマナーです!


『新編古今事文類聚』『典海』『廣文庫』など、禍々しい雰囲気が漂っています。
このような書架が5面。さすが地下書庫!なんとも迫力がありますね。
ここからは、特に気になった本をピックアップしてご紹介します。

大言海 / 大槻文彦 著(文庫06 00367 1-5)


まるで西洋の百科事典のような背表紙の『大言海』。日本で最初の近代国語辞書とされる大槻文彦の『言海』(1889〜1891)はとても有名ですが、その改訂増補版が『大言海』(1932-1935)です。大槻は1912年から『言海』の大増補に着手したものの、1928年に志半ばで亡くなってしまいます。その遺志を受け継ぎ、協力者たちの手によって死後に刊行されたのがこの『大言海』でした(『図説 近代日本の辞書』p.101より)。坪内逍遙も、こうした辞書で私たちと同じように難しい日本語の意味を引いていたんだなと思うと、少し感慨深いですね。

[武鑑](文庫06 01734 1-4)


[武鑑](文庫06 01734 0001)古典籍総合データベースより
次は和綴じが目を惹く『武鑑』『国史大辞典』によると、武鑑とは「江戸時代、大名諸家・幕府諸役人を記載の主体にして、編集、出版された武家の名鑑」とのこと。実際に中身を見てみると大名の家族構成・家紋・石高などがびっしりと記されています。どうやら江戸時代に発行されたもののようです。


[武鑑](文庫06 01734 0001)古典籍総合データベースより
掲載順は石高順になっており、トップバッターの尾洲家はなんと61万9千500石!
1石=1000合なので、1合150gとすると…92,925,000kg。果てしなさすぎてよくわかりません。
スーパーを見てみると多くのお米が10kg約3500円で販売されているので、それに当てはめて計算してみます。するとなんと325億2375万円!これだけの資産を管理するのはなかなか骨が折れそうです。

東京名物食べある記 / 時事新報家庭部 編(文庫06 02062)


『東京名物食べある記』p.4より
こちらは東京の美味しいものを集めたガイドブックです!食堂からスイーツまで幅広くグルメ情報が網羅されています。
目次を見てみると、現在も有名なあのお店が。「店頭に並んだメロン、葡萄の美しさ、香り高い西洋花の鉢、切花に足を引かれて」(p.3)と、紹介されているのは銀座千疋屋です。日本初のフルーツパーラーとして有名ですね。100年近く前からこんな風に評価されていたなんてすごい!
他にも美味しそうなお店がたくさん載っているのですが、やはり現在では残っていないお店が多く…残念です。
ちなみに、この本の見返しを覗いてみると、新聞の切り抜きらしきものがたくさん!


これも坪内逍遙が貼りつけたのでしょうか?どうやら内容は料理のレシピのようです。おお、こんなところにもわせとしょレシピが!

ちなみに料理の内容は…

  • 「一人前三十銭の客膳料理」
  • 「骨までいたゞける魚のおいしい煮方」
  • 「食欲を増進する胃腸病者の食物 かゆや重湯の代用品」

…当時の坪内逍遙の嗜好や興味が垣間見えるようで、面白いです!

古典籍総合データベースを活用してみよう

さて特殊コレクション(文庫)のページによると、逍遙文庫は、地下書庫の他にも4階 貴重書庫にも配架されているとのことでした。地下書庫にないもっと貴重な資料も見られないかな?と気になったとき、役に立つのが古典籍総合データベースです。
このデータベースでは、早稲田大学図書館が所蔵する古典籍の情報とカラー画像を閲覧することができます。中には国宝・重要文化財に指定されているような資料も…!

まずは安直に「坪内逍遙」と検索してみたところ、気になったのがこれ。

ハムレット / [シェークスピヤ] [著] ; 坪内逍遥 訳(稲門 18318)


ハムレット / [シェークスピヤ] [著] ; 坪内逍遥 訳(稲門 18318)古典籍総合データベースより
坪内逍遙が訳し、出版された『ハムレット』です。鮮やかな表紙がおしゃれですね!

ちなみにこちら、よくよく見てみると「稲門」と書いてあり、「逍遙文庫」ではないんです。
もう一度検索結果を見てみましょう。


「坪内逍遙」と検索すると、坪内逍遙が少しでも関わっている資料がすべてヒットするのですね。では、逍遙文庫に絞って検索したいときはどうしたら良いのでしょうか?キーワード(主題)の欄を見ると、逍遙文庫という記載があるものも見えますので、「逍遙文庫」と検索してみましょう。すると…


うまく逍遙文庫の資料のみに絞り込むことができました!
私が興味を惹かれた資料はこちらです。

尾張国全図(文庫06 01921 7)


尾張国全図(文庫06 01921 0007)古典籍総合データベースより
尾張国、つまり現在の愛知県西部の地図ですね。
よく見るとうっすら航路が書き込んであり、この地図が人々の生活に寄り添っていたことがわかります。
こちらは中央図書館4階の貴重書庫に保管されているのですが、貴重資料は、特別な研究の用途で、専門の資料の取り扱い方を理解した上でなければ、なかなか見ることはできません。
そんなとき古典籍総合データベースを使用すれば、どこにいても・無料で・すぐに!貴重な資料を閲覧することができます。便利すぎます…!!

エンパクに行ってみよう

せっかくですから最後に演劇博物館に行ってみましょう!
…と言いたいところですが、エンパクは現在休館中なのです。
2018年に創立90周年を迎えるため、記念事業に向けた準備を行っています。


2018年1月23日 大雪翌日の演劇博物館
リニューアルしたエンパクのお披露目は、2018年3月23日。ちょうどあと一か月ですね!
皆さん是非足を運んでみてください。

今回の「わせとしょ探検隊」はここまで。たくさんの「お宝資料」が見つかりました!
せっかくの長~い春休み、皆さんも図書館を探検してみてくださいね。

次回は3月9日公開予定です。お楽しみに!

参考資料

今回の発掘成果

バックナンバー

* この記事の図書館書庫内の画像、資料の写真、データベースの画像は、早稲田大学図書館・各データベース提供元の許可を得て撮影・掲載したものです。図書館内あるいは 図書館資料・データベースを許可なく撮影すること、インターネット掲載は厳禁です。またこれらの画像の無断転用を禁止します。

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