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【図書館ボランティアスタッフLIVS 地下書庫探検隊!】第10回 マンガ@ワセダ  ―アトム、北斎、ガンダムまで―

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高田馬場と『鉄腕アトム』

皆さん、こんにちは!BBN班の富樫です。

私たち早稲田大学の学生の多くが利用しているであろう高田馬場駅。皆さんは、その発車ベルが何の音楽か、気にしたことはありますか?

そう、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、「鉄腕アトム」のテーマです。
実はこれ、「アトムは二〇〇三年四月七日、高田馬場の科学省で生まれたという設定になっている」ことと、「手塚プロダクションは一九七六年から九六年までの二十年間、高田馬場駅近くを通る早稲田通り沿いのビルの二階にあった」ことがその由来(『読売新聞』2003-11-18東京朝刊、「ヨミダス歴史館」参照)。

発車ベルのほかに、ガード下の壁画や「アトム通貨」など、早稲田・高田馬場周辺でアトムをはじめとする手塚治虫作品のキャラクターを見る機会は多くあります。

手塚治虫と言えば、「日本におけるストーリー漫画およびテレビアニメーションの分野を確立」(デジタル大辞泉, JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2017-02-15))した人物として有名です。

今や漫画は日本を代表する文化として、世界的にも注目を集めています。今回は早稲田大学図書館が所蔵する漫画資料について、取り上げます!

そもそも「漫画」とは

第6回の記事では、「絵本」をテーマとして取り上げましたが、絵本と漫画は定義の上でどのような違いがあるのでしょうか。

今回もまずは学術情報検索から、ジャパンナレッジを開いて定義を確認しておきましょう。

(1)(─する)自由奔放な筆致で絵を描くこと。また、その絵。風俗画、戯画、滑稽画などの類。そぞろがき。

(2)({英}caricature の訳語)
特に、社会批評、風刺などを主眼とした単純軽妙な絵。ポンチ絵。一こま、四こまなどで、ふきだしを伴う場合もある。また、物語などを、絵と、ふきだしに書き込んだ会話でつづるもの。本来、滑稽さを主眼としたものだが、劇画、ストーリー漫画の類も含んでいう。漫筆画。

“まん‐が[:グヮ]【漫画】”, 日本国語大辞典, JapanKnowledge, http://japanknowledge.com, (参照 2017-02-15)

まとめると、

  1. 批評や風刺を伴う軽妙な絵
  2. 絵とふきだしで綴られる物語作品

のことを特に「漫画」と呼ぶようです。

さて、そんな漫画ですが、「そもそも学術書中心の大学図書館に漫画なんてあるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。……が、そこは早稲田大学図書館。今や世界に誇る日本の漫画を所蔵していないはずがありません。

「でも、館内に漫画が置いてあるのを見たことないよ」

という方も多いと思います。まずは漫画の「探し方」について、ちょっと詳しめに紹介したいと思います!

図書館で「漫画」を探すには?

漫画を探したい!と思ったときに、どうすればよいか?まずはWINEで検索してみましょう。

1 タイトル検索

あらかじめ探したい資料名がわかっている場合は、この方法が最も確実です。例えば、『鉄腕アトム』をタイトル検索してみます。
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ずらりとヒットしました。

2 キーワード検索

「漫画」でキーワード検索をすると、タイトル、シリーズ名、著者名、件名、 図書の注記といった、複数の項目の範囲で「漫画」という語を含む資料を検索できます。

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もっとも広く資料検索ができる反面、検索結果が膨大になってしまうことが多く、また、関連度の低い資料が表示されることも。

 

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1805件は、見るだけでも大変……

 

なので、ある程度探したい範囲が明確な場合は、年代や資料形態、所蔵館などで絞り込みをすると探しやすくなります。
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3 件名検索

図書館の資料には、その内容ごとに、「件名」と呼ばれるタグのようなものがつけられており、この件名に基づいて検索を行う方法もあります。Twitterのハッシュタグ検索などに近いかもしれません。「漫画」で件名検索をすると、「漫画」という件名を付与された資料を一括で検索することができます。

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入力した語に近い件名が一覧で表示され、件名を選ぶと、その件名が付与された資料の一覧が表示されます。

内容の関連度の高い資料だけを絞り込んで検索できますが、キーワード検索の場合と違って、件名として登録されている言葉でないと検索できません。原則として漫画作品そのものには「漫画」の件名はついていないのですが、漫画に関係した資料や全集など、思わぬ形で漫画について調べることができます。

4 著者名等検索

特定の著者が書いた作品を検索できます。例えば、「手塚 治虫」で検索すると、次のような資料がヒットします。

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検索範囲は限られますが、その範囲の中では効果的に検索ができます。

裏ワザ・芋づる式検索

3・4の検索方法を効果的に利用する方法として、「芋づる式検索」があります。検索によって何か一つ有力な資料を見つけた場合、その検索結果画面の「件名」や「著者名」をクリックすることで、その資料と関連度の高い資料を探すことができます。

例えば、『鉄腕アトム.1』の検索結果画面で、「別著者等」の欄にある、「手塚治虫,1926-1989」をクリックしてみます。すると……

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「著者名検索」が行われ、さらにクリックすると、その著者の資料一覧が表示されます。最初に一つ資料を見つけておく必要はありますが、この方法を使えば見つけた資料からさらに関連するほかの資料へと、比較的簡単に調査の幅を広げていくことができます。

*書架で直接探す(ブラウジング)

ここまではWINEを利用した検索方法を紹介してきましたが、書架で直接資料を探す方法もあります。

図書館の資料には、日本十進分類法という規則に基づき、内容ごとに3桁(+小数点以下)の数字が振られています。このうち、726が「漫画、挿絵、児童画」を表す番号となっており、この番号を手掛かりに、書架で直接資料を探すこともできます。第2回でも触れたブラウジングです。

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実物を手に取ることができるので、検索ではわからない情報まで確認しながら資料を探すことができますが、異なる分類で配架されている資料(個人文庫など)を見落としがちであるという弱点もあります。

ここまでの説明でお気づきの方も多いと思いますが、これらの方法はここまでの「地下書庫探検隊」の記事で紹介してきたものばかり。すなわち、漫画に限らずあらゆるテーマに応用が利きます。調べ物をするときに、ちょっと思い出してみてくださいね。

 手塚治虫作品を探す

それでは、ここまでの方法を踏まえて、実際に漫画を探してみましょう!まずは、冒頭でも紹介した『鉄腕アトム』を改めてタイトル検索してみます。

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やはりありました。地下1階と地下2階にあるようです。地下書庫に降りる前に、もう一検索。「手塚治虫」で著者名検索を行った結果も改めて確認しておきましょう。

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アトム以外にも、複数の作品がヒットしています。まずは地下2階から見に行きましょう。

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鉄腕アトム』以外にも、『火の鳥』や『ブラック・ジャック』など有名な作品が複数見つかりました。

続いて、地下1階へ。
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おや?こちらは地下2階と分類が違いますね。

そう、第1回でも紹介した早稲田分類です。地下1階の資料は、地下2階の資料よりも受け入れ年次が古いため、こちらの分類になっています。つまり、早稲田大学図書館では、日本十進分類法を導入する以前から漫画資料の受け入れを行っていたことがわかります。

 これも漫画?『一平全集』・『北斎漫画』

手塚治虫作品以外にも、「漫画」に連なる作品は多く所蔵されています。まずはせっかく書架まで来ているので、ブラウジングを試みましょう。

地下2階の書架で、一際存在感のある全集を見つけました。

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この『一平全集』は、岡本一平という漫画家の作品全集です。漫画といっても、我々がイメージするようなコマ割りのされたものではなく、挿絵のような一枚絵の周囲に、文章が書かれているという形式。やや時代を感じさせるスタイルですが、この岡本一平という方は、どのような人物なのでしょうか?

地上2階に戻って、参考図書コーナーで調べてみます。

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実は、漫画に関する参考図書も早稲田には多くあります。今回は『漫画家人名事典』を参照します。

漫画家人名辞典』によると、岡本一平は朝日新聞の社員であり、そこで漫画を担当していたようです。「人間生活の機微を鋭くつき、情味と品格をそなえた漫画は、その独特の漫文とともに多くの人々に親しまれ、政治漫画に一時代を画した」とのこと。ちなみに、「妻は岡本かの子(小説家・歌人、故人)、長男は画家の岡本太郎(故人)」・・・なんと、芸術は爆発だ!で有名な、岡本太郎のお父様でした。

「朝日新聞で漫画を担当していた」……ということは、学術情報検索から朝日新聞の記事データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」を利用すれば、当時の紙面イメージを見ることもできますね。

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さて、周辺の書架を一通り見終わったところで、改めてWINEでの検索をしてみましょう。今度は「漫画」でキーワード検索をしてみます。多数の資料がヒットしますが、その中に気になる資料が。

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1878年、葛飾北斎『北斎漫画』。

1878年!?何と明治時代の資料です。古典籍扱いにはなっていないから、手に取って閲覧できる……。これはワクワクしてきました。葛飾北斎と言えば、『富嶽三十六景』等で有名な浮世絵師ですが、漫画も描いていたのでしょうか?ともかくまずは現物に当ってみます。地下1階の文庫コーナーへ。

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以前の回でも訪れた逍遥文庫の中で『北斎漫画』を発見。

内容は、古今東西の人物や動物、風景、道具などが描かれており、漫画というよりは絵本に近い雰囲気です。そぞろがき、という意味での「漫画」なのでしょうか。

清水勲『北斎漫画 日本マンガの原点』(2014年、平凡社)によると、この『北斎漫画』はもともと絵手本として描かれたのですが、戯画の手法も取り入れたユーモラスな内容が人気を博し、絵師を志す人以外にも広く大衆に読まれる作品となったようです。4コマ漫画の原型のようなものも見られ、日本における漫画の源流ともいうべき作品です。

なお、一部はデータベース化されており、インターネットからの閲覧も可能です。
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古典籍登録されている方の『北斎漫画』の検索結果から、赤丸の部分をクリック。以下のリンクから実際に画像をご覧いただけます。

  北齋漫畫. 2編 / 葛飾北齋 [画]

アニメもあるぞ

ここまでは紙の資料として所蔵されている「漫画」を見てきました。しかし、紙の資料だけでなく、映像資料も充実しているのが早稲田大学図書館。漫画があるなら、もしや……と思い、「限定検索」をかけてみることにします。

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限定検索とは、検索の範囲を所蔵館や資料の形態によって絞り込んで行う検索のこと。今回は検索範囲を「AV資料」に限定し、キーワード検索をかけてみます。検索語は「アニメ」。

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なんと8000件以上がヒット。ここまで候補があるとは予想外でした……。

手塚治虫作品のほか、ジブリやディズニー作品などが多く感じますが、よくよく探すとこんな作品も……

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幅が広いというか、懐が深いというか。あとで観に行こうかな……。

(AVルームの利用方法について詳しくは第2回の記事へ!)

番外編 マンガ@戸山

基本的には中央図書館の資料を中心に紹介しているこの「地下書庫探検隊」ですが、今回は最後にちょっと出張。実は文キャンの戸山図書館も漫画を数多く所蔵しているのです。特に文キャンでは、作品そのものやテーマ、表現技法、あるいは芸術としてなど、漫画がサブカルチャー研究の対象として扱われることが多いためと思われます。地下書庫に行ってみると……

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書架一つ丸ごと、ずらりと漫画が並ぶ棚が。中央図書館にはない作品も多数所蔵されています。「研究図書」として扱われていることからも、漫画が研究対象として立ち位置を確立させていることがうかがえます。

終わりに

漫画もアニメも、まだまだ娯楽として見られることが多いですが、大学図書館が所蔵していることからもわかるように、今や学問の研究対象としてもその地位を確立しつつあります。記事の中でも紹介した漫画のWINE件名検索、あるいはサブカルチャーといった件名検索結果からもそのことがうかがえますし、漫画を対象とした学術誌なども図書館では豊富に所蔵しています。

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新学期には、こうした作品を研究してみても面白いかもしれませんね。

今回はここまで。次回をお楽しみに!

今回使用したツール

参考資料

今回発見した「お宝」

  • 手塚治虫の漫画作品
  • 岡本一平 著 ; 杉浦幸雄 監修『一平全集』大空社、1990-1991(全20巻)
  • 葛飾北斎 編輯『北斎漫画』東壁堂、1878(全15篇)
  • 戸山図書館所蔵の漫画作品
  • 矢立肇 原作, 富野喜幸 原作, 富野喜幸 総監督, サンライズ 企画・製作
    機動戦士ガンダム 劇場版』(映像資料)バンダイビジュアル、1996
  • 古典籍総合データベース『北斎漫画』(2篇および5篇を閲覧可能)

地下書庫探検隊!バックナンバー

* この記事の図書館書庫内の画像、資料の写真、データベースの画像は、早稲田大学図書館・各データベース提供元の許可を得て撮影・掲載したものです。図書館内あるいは 図書館資料・データベースを許可なく撮影すること、インターネット掲載は厳禁です。またこれらの画像の無断転用を禁止します。

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