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【図書館ボランティアスタッフLIVS 地下書庫探検隊!】第7回 人類とミツバチのあま~い関係

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皆さん、こんにちは。LIVS、BBN班の南條です。
時に皆さんは、3月8日が何の日かご存知ですか? そう、3(ミツ)8(バチ)、ミツバチの日ですね。
……と、まるで当たり前の言ってみましたが、ご存じなくても、問題ありません。私もこの記事を書くに当たり、近い時期にある記念日を調べてみようと中央図書館2階、参考文献コーナーで記念日・祝日の事典を見て初めて知りました。それによると、どうやら全日本はちみつ協同組合と日本養蜂はちみつ協会が語呂合わせで作った日のようです。

ところで少し前、2月1日の話になるのですが、とあるTV番組で数万匹のミツバチが大量に消えたという謎が取り上げられていました。そこでは、かのアインシュタイン曰く……おや、昔の事ですからすっかり名言を忘れてしまいました。ミツバチが減ると人間の存続が危うい、そんな言葉だった気がします。
ちょっと探してみましょう。

さて、探すにしても、何を探せば良いのでしょうか? 探している言葉を名言や格言……に分類して良いのかは分かりませんが、名言集のようなものを探してみましょう。
WINEで図書館の蔵書を検索すると、2Fの参考図書コーナーに世界名言大辞典という辞典があるようです。早速参照してみました。
……ですが、アインシュタインの言葉はあれど、ミツバチに関する言及はありません。あれは考察の結果ではあっても、名言ではないようです。残念。

アインシュタインの著書を一つ一つ見ていけばいずれは見つかるのかもしれませんが、著者名検索「Einstein, Albert, 1879-1955」の結果は93件。確認するには多すぎます。英語のものもありますから、読破するのに時間はかなりかかるでしょう。
では、どうしましょう?
こんな時はインターネットで引くに限ります。地下書庫探検隊の記事でも八面六臂の大活躍をしている学術情報検索システムで検索してみましょう。

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しかし、どのサイトで検索したものでしょうか。日本語で見られる名言集らしきものはありませんし、そもそも件の言葉が果たして名言集に取り上げられるような言葉なのかも分かりません。ですが、TV番組で取り上げられるということはきっと、有名な言葉かつ他の情報メディアでも引用されているのではないでしょうか? そう、例えば新聞などに。

ということで、探検隊が常々お世話になっているヨミダス歴史館を検索してみました。記事本文を含めた全文検索に、「蜜蜂 アインシュタイン」と打ち込んでみます。
……検索結果は0件です。やはり、TVで取り上げられているのなら新聞でも、というのは無謀だったでしょうか。
いいえ、諦めるのはまだ早すぎます。もしかしたら、検索ワードが良くなかったのかもしれません。次は「ミツバチ アインシュタイン」で検索してみます。

すると検索結果は、2件です! 同じミツバチでも漢字ではなく、カタカナにするとヒットしました。インターネットに触れている人は実感を持って知っているかもしれませんが、こうしたちょっとした表記の違いで検索結果はよく変わってしまいます。
結果を見ると、一つ目は睡眠時間の話でした。アインシュタインは一日十時間眠り、ミツバチは生涯眠らない……興味深い記事ですが、今探しているものではないようです。
二つ目は映画の話です。ミツバチ激減の背景を探るドキュメンタリー映画「みつばちの大地」についての記事ですが、その導入としてアインシュタインの言葉が引用されていました。

「ミツバチが絶滅したら、人類も4年で滅びる」

と、彼は言っていたようです。それは、世界の農産物の3分の1の受粉にミツバチが携わっているからでした。
ミツバチは人間にとってとても大切な存在なのですね。
導入が長くなりましたが、そんな訳で今回は、人類に欠かせない存在・ミツバチと人類の関係性について調べてみたいと思います。

ミツバチってどんなハチ?

今回の主役のミツバチなのですが、お恥ずかしながら私は他のハチ同士との区別があまりつきません。小さめなのがミツバチ、恐ろしいのがスズメバチ……それくらいのイメージです。折角なので、昆虫としてのミツバチについても確認しておきましょう。

手始めに百科事典を調べてみました。参考図書コーナーに行って、まずは日本大百科全書のミツバチの項を引いてみます。
ミツバチの写真と共に、習性やハチミツ・蜜蝋・ロイヤルゼリーなどを作る事、そして蜜を人間が採取する姿が、紀元前7000年頃のスペインの壁画「女性のハチミツ狩り」に描かれている事が分かりました。そんなにも古くからハチと人間の関係が続いていたなんて、驚きです。

次に、昆虫専門の参考図書もないか探してみましょう。WINEのキーワード検索で「昆虫 and 図鑑」と引いてみます。

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ありました! 2階の参考図書コーナーに原色昆虫大図鑑と言う図鑑があるようです。見てみましょう。

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引いてみるとハチの写真がびっしり載った、標本の様なカラーページと、ハチ各種の説明が見つかりました。ニホンミツバチの説明を読みます。
サイズは12ミリ程度、セイヨウミツバチより黒いのが特徴だそう。残念ながらセイヨウミツバチは載っていません。在来種が中心なようです。

『原色昆虫大図鑑』と同じ、生物関係の参考図書の棚を見回すと、世界大博物館図鑑という図鑑を発見しました。虫に限らずたくさんの生物を載せた図鑑のようですが、「虫類」というものがあります。

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見てみると、古代エジプトや古代ギリシャに始まり中世ヨーロッパ、中国、日本などでハチがどう考えられ、ハチミツ等がどう利用されていたか、詳しく書かれています。例えばエジプト、ギリシャ、中世ヨーロッパ、中国を問わずミツバチたちの女王の下で統率のとれた体制は、人間社会に近いもの、または重ね合わせられて見られていた事や、ミツバチが雄牛の死体から生まれるという西洋の俗信、また中国のハチミツは西洋より熟成させるため甘い事……等々、多岐に渡った解説を読む事が出来ました。

人間社会と重ねて見られる他、ミツバチが権威の意味を、ハチミツが宗教的な意味を持った事も、様々な文化圏で共通しているようです。例えば古代エジプトではミイラにハチミツが供えられていたり、ギリシャ神話の主神ゼウスがハチミツで養われていたり、時代がぐっと現代に近付いたナポレオンもまた、統治のシンボルとして紋章にミツバチを使ったりしていました。

農作物の受粉やハチミツ採取に限らず、ミツバチが人類史に密着していた事が、事典の情報からだけでも大分分かってきましたね。それでは、事典に取り上げられなかった他の地域では、ミツバチの存在とはどの様なものだったのか、それについて調査していく事にしましょう。

WINEで検索

ミツバチと人との関係と言うと、まず思い浮かぶのは「養蜂」でしょう。
養蜂を中心に取り扱った図書などはあるのでしょうか。WINEで「養蜂」とキーワード検索してみます。

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見つかりました。
最近の図書から戦前の図書、下の方のものは雑誌でしょうか。様々なものがあるようですね。雑誌については後で見る事にして、図書から確認してみましょう。

一先ず一番上の本についてのページを開くと、下の方に件名が載っています。件名、「養蜂—メキシコ」。養蜂は件名にもなっているのですね! リンクから件名検索してみます。

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「周辺の件名」に、東京やアメリカ合衆国などがありますね。右端の「エントリー」、件名に該当する所蔵図書の冊数は、養蜂と名の付く件名だけなら合わせて13冊。たくさんエントリーがある件名であれば、より限定された欄を探しても良さそうですが、13冊だったのでざっと見てみました。
キーワードと件名、どちらの検索結果も確認した上で、事典に詳細の載っていなかった地域のものを二冊、そして日本のものを一冊ピックアップしてみます。どちらも地下書庫に所蔵されているようでした、見に行ってみましょう。

一階に降りたらロッカーに荷物を預け、学生証を見せて地下書庫に入るためのバッヂを借ります。
まずは一冊目、伝統養蜂(meliponicultura)と近代養蜂(apicultura)のはざまで : メキシコ合衆国カンペチェ州ラ・モンターニャ地域における養蜂文化を地下二階で探します。

おや? どこでしょう。……ありました! この黄土色っぽい背表紙のものでした。意外と薄い。

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内容を見てみると、タイトルの通りメキシコの養蜂について、メキシコの位置するユカタン半島の養蜂が大規模であった事に彼らを植民支配するスペインが目を付けていた事、20世紀からの近代養蜂を導入する中での伝統養蜂の衰退についてが述べられていました。

ユカタン半島でもミツバチにはハチミツ採取以外の特別な意味があったようで、雨乞いの儀式に蜜蝋から作られる黒蝋燭、ハチミツから作られるバルチェ酒、ハチミツと水とトウモロコシを混ぜ合わせた飲み物が使われているそうです。しかも、店で買った蜜より実際に採取したものの方が効果が高い、外来種のハチのものでは代用出来ないなど、拘りも強いようですね。

次に、新コリア百科 歴史・社会・経済・文化を探してみました。こっちは分厚い!

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目次を開いてみると「交流の食文化」の章に、「東アジアの養蜂と蜂蜜食品」という論文が見つかりました。他にも数多くの論文を収録しているから分厚かったようですね。
近代以前の東アジアの伝統養蜂と蜂蜜食品、お菓子作りにハチミツと砂糖が与えた影響が述べられています。養蜂が上手くいかなかった事から朝鮮半島からハチミツが日本に盛んに輸入された事や、朝鮮のハチミツに関連した料理の中で日本、中国と影響関係にあるものなどが載っていました。
日本では、一部には伝統的な養蜂が存在したものの、大規模な養蜂は発展しませんでした。そのため、ハチミツを使ったお菓子は伝来しても根付かなかったようです。が、時代が下って外国との交易をする長崎に改めて伝来したハチミツのお菓子が同じ九州である熊本や鹿児島の名物になるなど、ハチミツ採集の量が少ないからと言ってハチミツとの縁が切れた訳では決してなかったようです。

最後に、そんな養蜂に苦労していた日本の資料を見てみます。
探しているのは実験養蜂問答。請求番号は602.1 00014 332です、が……。

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た、たくさんある!!
装丁の同じ資料がたくさんあります。

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題名も、どれも『明治後期産業発達史資料』……。どうやら巻が違うようですが、どれが探している資料なのでしょうか。一番手前の資料を見たら、865巻もあるようです。一冊一冊は探せません。WINEの「シリーズ名」の欄を見れば何巻なのか書いてあったのかもしれませんが、見逃してしまいました。
しかし、私には請求番号があります。LIVS記事の第6回「絵本さがしの旅」でも活躍していた請求番号。第6回で請求番号を利用したような地上の図書は、一冊単位までは特定できないのですが、何と! 地下の図書であれば一冊単位まで特定出来てしまいます。便利ですね。背
表紙にある請求番号を見て行くと、どうやら控えていた請求番号の末尾332は巻数を指していたようです。

332巻を発見しました。背表紙に示されているタイトルは『実験養蜂問答』ではなく『明治後期産業発達史資料』ですが、載っているのでしょうか。開けてみると、巻頭の方にある「本巻収録資料」に「実験養蜂問答」の文字が。別の資料と2つで1つにまとめられているために、どうやら表紙にタイトルの記載がなかったようです。
後から確認してみましたが、WINEにはきちんと「シリーズ名」とその巻数が載っています。うっかり見逃していました。

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さて、中を見てみると、この「実験養蜂問答」は大正6年に書かれたものらしく、当時の書き言葉で、問答形式に養蜂について述べられています。各種ミツバチ、例えばイタリアンやカーニオランといった種などの区別の仕方、巣箱の管理、ハチミツの品質について……等々、『明治産業発達史資料』と言うだけあって日本で近代養蜂が行われる過程で編集された資料である事が窺い知れます。

日本でもこうして、養蜂が行われるようになっていったのですね。

学術情報検索

地下書庫探索はこれくらいにして、最後に、現代の人とミツバチの関係を調査しましょう。と言っても、現代の養蜂産業について概観する、といった大それたものではなく、こうして人類に寄り添っていたミツバチたちは、最近どんな話題になっているのか? を調べてみたいと思います。
再び学術情報検索を開き、「ヨミダス歴史館」に入ります。

最近の情報が知りたいので、検索するときには検索する期間を限定したいと思います。2015年以降のものくらいに絞ってみましょう。先程は漢字で「蜜蜂」と入れてヒットしなかったので、今度は全文検索に「ミツバチ」と入れて検索します。
ヒットしました。150件です。新しい順に表示されるようにして、最新のものをざっと見てみます。先月にも幾つか記事がありました。例えば

2017.2.20、「「精一杯」で乾杯 山口の酒造会社 福島の酒米で日本酒」

NPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」が福島の菜の花を植えるため首相官邸を訪れた事がきっかけで、山口の酒造会社「永山酒造」を首相が紹介、酒造りをする運びとなった。

といったものがありました。それ以上遡ると、愛知県豊田市で「豊田まちづくり」がビルの屋上で養蜂を行っている事や、同じく大阪でも都市の中でのミツバチの生育が行われている事など、都市に順応していく養蜂の姿が目に留まります。

そういえば……最初に養蜂について件名検索をした際、「養蜂—東京都中央区」、という件名がありました。もしかしてこの「銀座ミツバチプロジェクト」と何か関係があるのでしょうか。調査してみました。
書名は銀座ミツバチ奮闘記 都市と地域の絆づくり。中を見てみると予想通り、「銀座ミツバチプロジェクト」についての図書でした。2006年に始まったビルの屋上で養蜂を行うプロジェクトが次第に土地の人々に親しまれていく様子や、これからの展望などが書かれています。

これらの記事や図書は、ミツバチがどこに行っても、人間の生活に密着している事が分かる良い例でしょう。

バックナンバー書庫

ここまで図書、新聞のデータベースを活用してミツバチとの関係を探ってきました。最後に、ミツバチに関する雑誌がないか探してみましょう。
さて、調査の序盤に、WINEで「養蜂」とキーワード検索をしました。その時、雑誌らしきものがあったはず。WINEを開くと……

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これです!『養蜂雑誌』と『養蜂界』。どちらも1910年代のかなり古い雑誌のようです。
早速閲覧してみましょう……おや? どちらも所蔵が「中央 雑誌(本庄別置)」
バックナンバー書庫の雑誌の中には、特に古いものを中心に、中央図書館ではなく、本庄保存書庫に移管されているものもあります。こうした雑誌は、レファレンスカウンターに行って、中央図書館に取り寄せてもらって閲覧する事が出来ます。

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カウンターで申込書を埋めて、提出します。

翌日、資料が中央図書館に届いたと、申込書に書いたアドレスに連絡が来ました! 到着から暫くは取り置き期間が設定されているようなので、期間内の好きな時に見に行く事が出来ます。忙しい大学生には、ありがたいですね。
また、この申請はMyWasedaを利用してオンラインで行う事も出来ます! 詳しくは以下のリンクから。

ILL申し込みのご利用方法|早稲田大学図書館

図書館のILL受取カウンターで、資料を受け取ります。

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これです! 中を見てみると薄めの月刊誌が複数号纏められ、保存されているようです。

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年季は入っていますが、読めなくなっているようなところもなく、保存状態は良いようです。読んでみると、『養蜂界』の方ではメキシコの養蜂に適した土地が紹介されていたり、『養蜂雑誌』の方ではドゥリットル氏という方との養蜂に関する問答が連載されていたりと、発行された明治期の産業の動きが分かる資料でした。

因みに、実はこの2つの雑誌は、NDL-OPACで調べる限り国立国会図書館にも所蔵がないものです。CiNii Booksを検索してみると、大学図書館には何館か所蔵があるようですが、それでも片手で数えられる程度。保存されている数の少ない、とても貴重な資料ですね……!

なお、こういった雑誌は業界誌と呼ばれるその産業や業界の専門誌です。現在も例えばお菓子業界、繊維産業からお寺やラベルの業界まで、様々な雑誌が発行されています。
何故早稲田大学が養蜂の業界誌を所蔵しているのか、といった謎は尽きませんが、今回はこの辺りで調査をまとめたいと思います。

おわりに

以上で見て来たように、ミツバチ、そしてハチミツは古今東西あらゆるところで親しまれたり、特別な意味を付けられたりしてきました。現代でも彼らと人類の密接な関係は続いており、それが終わる事はきっとないのでしょう。
皆さんも、ミツバチの様な身近で何気ない動物について図書館で調べてみると、彼らと人の関係性を再発見出来るかもしれませんよ!

今回使った検索ツール

今回発見したお宝

参考図書コーナー
地下書庫
バックナンバー書庫
その他の参考
読売新聞
  • 1991.06.12甲「[ひまわり]睡眠」西部夕刊、夕2社、p.8
  • 2016.11.14米山要「[ズームアップ]ビルで養蜂 花の都」東京夕刊、写真、p.7
  • 2016.07.08工藤武人「[顔]ミツバチ激減の謎に迫った映画監督 マークス・イムホーフさん」東京朝刊、2面、p.2
  • 2016.09.15「ビル屋上のハチミツ 食料品になって販売=愛知」中部朝刊、名市内、p.29
  • 2017.02.20「「精一杯」で乾杯 山口の酒造会社 福島の酒米で日本酒」東京朝刊、福島、p.33

地下書庫探検隊!バックナンバー

* この記事の図書館書庫内の画像、資料の写真、データベースの画像は、早稲田大学図書館・各データベース提供元の許可を得て撮影・掲載したものです。図書館内あるいは 図書館資料・データベースを許可なく撮影すること、インターネット掲載は厳禁です。またこれらの画像の無断転用を禁止します。

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