兵藤 智佳 HYODO, Chika
早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター准教授。研究者データベース
人生の転機とWAVOCへの道のり
一つ目は、大学院への進学。なんとなく社会で働きたくないなという感じで、気がついたら大学院で研究をするはめに。そこでジェンダーや性教育、エイズに出会い、結局は、大学ではなく当事者の立場と視点から「市民運動」を通じて本気で社会を変えてやろうと思っていた。二つ目は、そんな鼻息あらい生活にややココロもカラダも疲れたころのアメリカへの留学と研究生活(ミシガン大学)、憧れのアメリカ・・・とおもいきや、なんとなく居場所がない感じ。しかし、マイノリティと保健医療の分野で人生の仕事として何かをしたいという気持ちは固まった。三つめが東南アジアとの出会い。
仕事や生活を通じて「頑張らないで楽しむユーモアの世界観」にふれ、生き方が変わる。「なんとかなる」と思えているのもこの経験が大きい。「支援すること」を考え、人に支えられることの意味を考え始めたのもこのころ。そろそろ日本へ帰ろうという気になって早稲田大学に就職。
自分にとってのWAVOCの魅力は?
無関心ではいられない感性の豊かさがいつもそこにあること。そして、「失敗してもいいからとりあえず挑戦してみろ」という雰囲気があって、本当に失敗しても大人が責任をとること。
授業や活動するうえでのこだわりは?
マイノリティ問題を扱うなかで「自分も当事者でありえる」という感覚をどれだけ持てるかにこだわっている。誰かの問題ではなく、自分の問題だと気づけること、そして、一人ひとりが社会に働きかけられる可能性を学生と共有したいです。
学生たちに対して思うことやメッセージ
自己表現にこだわってほしい。ボランティアは他者とのかかわり。そのためには何より自分と対話ができること、そして、自分を他者に表現することが大切だと信じています。
今後、WAVOCで実現したいこと
WAVOCで生き方を紡いだ学生の物語をもっと社会に発信したい。そして、卒業した後に社会で活躍する姿を応援していきたいです。卒業生が原点を思い出すために帰ってこれるような場所をつくりたい。
担当授業・プロジェクト
執筆
- 「僕たちが見つけた道標 福島の高校生とボランティア大学生の物語」 晶文社 2013年
- 「体験の言語化」 成文堂 2016年
- 「ボランティアで学生は変わるのか」ナカニシヤ出版 2019年