「自分って、結構適当なとこあるじゃないですか」でいいの? ~体験を言語化する 3
相手に自分をアピールする場面では「自分はこういう人間だ」と言いたくなります。そんなとき、わざと「そんなことないよ」といいところを認めてもらいたくて、自己否定的なことを言うのはよくあることです。理想の自分と現実の自分に悩むのは自然なことだけれど、コミュニケーションで大事なのは、自分はどういう人かを客観的に見る目を持つことです。どんな価値観を持っていて、どんなことを信じているのか。そのためには過去の体験の場面で何を感じ、どういう行動をしてきたかを考えるのが役に立ちます。もやもやを考えることは、社会的につくられた価値観に縛られていた自分に気づく機会でもあります。それに気づけたら、もう少し自信を持って等身大の自分を相手に伝えられるはずです。
剣道部の練習中:
キャプテン「おい女子、もう少し真剣にやれよ」
既成の価値観と自分を照らし合わせる
「練習態度に怒りが沸いた自分は、メンバーへの注意に一人ひとりの名前ではなく「女子」と括ってしまった。女子部員といっても人によっていろいろ違いがあるのに、そこを一緒にしてしまったのは、「無意識にある女性への差別」かもしれない。自分は社会に存在する差別の意識を実は持っていた。それに気づけた自分はこれから変わっていけるはずだ」
過去の体験に向き合ってみることは、自分がどういう人間かをあらためて知る作業でもあります。
体験の言語化を実践した学生はこう言っています。
「経験したこと、このもやもやした気持ち、もっと考えたい、そう思った」
「経験を考えること、社会の課題を考えること、大変だったけど自分がやりたいことが見えてきた」
「授業を自分の体験に照らして考えるようになった」
自分と向き合うことは大変だけれど、自分と社会の関わりに気付くと社会に潜む問題も考えられるようになります。なぜ? どうして? 疑問の答えは見つからないかもしれません。でも考え抜いた先に、自分の進みたい未来があるかもしれません。考えること、言葉にすること。その一歩を踏み出してみませんか?
そうした一歩を応援する完全参加型の授業をWAVOCで提供しています。
詳細はこちら→2017年度全学オープン科目「体験の言語化シリーズ」 シラバス