本研究所では2050年カーボンニュートラル“脱炭素社会の実現”を目指し、電動バス・トラックの本格的普及実現に向けた“車両側(電気/プラグインハイブリッド/燃料電池方式)”“エネルギ供給側(電気/水素エネルギ)”の両者に係る様々な研究開発・実証研究・社会実装活動を進めています。
我が国において、2050年カーボンニュートラル“脱炭素社会の実現”を目指すことが宣言されました。現状では運輸部門の二酸化炭素排出量は全体の約2割を占め、そのうちの約9割が自動車からの排出となっています。さらに細かく見ていくと、この自動車排出分の約半分が地域交通や物流の支えとなるバス・トラックからと言った状況です。それらの保有台数は国内の自動車全体からすれば小さな割合(約2割)であるものの、乗用車と比較して一般的に長距離走行かつ大重量であるため、二酸化炭素排出量的には寄与率が高く、バス・トラックの低(脱)炭素化が運輸部門政府目標達成の鍵になります。
自動車の環境負荷低減を実現するための最も効果的な手段は、電動化(電化・水素化)と考えます。しかし、長距離走行・大重量車両の電動化は、乗用車以上に“航続距離問題”や“エネルギ補給問題”が深刻化するため困難なものとなります。さらには、求められる“耐久性”のレベルも高くなります。また、乗用車と比較してマーケットが小さい事から開発資金を導入しづらく、乗用車では当たり前の電動化技術でも、それをそのままバスやトラックに採用することは難しい状況です。これらの理由から、電動化が順調に進展していません。
そのような背景のもと、早稲田大学電動車両研究所においては環境調和性に優れた電動バス・トラック(電気/プラグインハイブリッド/燃料電池方式)を主対象とした研究開発・実証研究・社会実装活動を進めています。本研究所で追究するものは、環境配慮(低炭素性、ゼロエミッション性等)と経験価値(コスト、乗り心地、安全性等)間のバランス感覚に優れたスマートな車両です。車両側の研究に加えて、エネルギ供給側との協調方策についても探究しています。
紙屋 雄史 理工学術院大学院環境・エネルギー研究科教授
草鹿 仁 理工学術院大学院環境・エネルギー研究科教授
中垣 隆雄 理工学術院創造理工学部教授
野津 喬 理工学術院大学院環境・エネルギー研究科教授
林 泰弘 理工学術院先進理工学部教授
方 亦園 理工学術院大学院環境・エネルギー研究科助教
楊 イ翔 理工学術院環境総合研究センター主任研究員(研究院准教授)
井原 雄人 スマート社会技術融合研究機構客員上級研究員(研究院客員准教授)
成澤 和幸
廣田 寿男
〒169-8555新宿区大久保3-4-1-51-612
【E-mail】 [email protected]
【Tel】 03-5843-9536
【WEB】 https://kamiya.w.waseda.jp