- 研究番号:25P13
- 研究分野:environment
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2025年04月〜2028年03月
代表研究者

関根 泰 教授
SEKINE Yasushi Professor
先進理工学部 応用化学科
Department of Applied Chemistry
URL:https://www.ase.sci.waseda.ac.jp/update/toprunner/372
研究概要
関根が政府審議会で主導してきた2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、科学の視点では炭素資源の循環利用の早期な技術確立が求められる。このような中で我々は、バイオマス資源をもとに、次世代合金触媒ならびに表面プロトニクスを利用した高度な反応場制御によって、バイオマス(稲わら・竹・間伐材・藻類)から効率良く水素・合成燃料を産み出す研究を重ねてきた。これまでに、貴金属合金系触媒を用いて、外部電場により表面プロトニクスを誘起させると100度台の低温でもバイオマス由来でオンデマンドで水素を効率よく作ることができること、ならびに貴金属触媒を用いて100度台の低温でバイオマスから直接LPGの合成ができることを見出し、イギリスなどの著名な雑誌にその成果を発表してきた。引き続き非在来型の触媒プロセスと多元素ナノ合金触媒を組み合わせ、これまでにない高性能な低温オンデマンド作動の触媒プロセスを創出する。触媒分析・理論解析に長けたメンバーならびにバイオマス転換基礎技術で革新的な技術を有するメンバーでチームを作り協業し、バイオマス由来の水素・LPG合成を100度台でほしいときにほしいだけ行える実証プロセスを確立する。すでに2029年度までの長期計画で、環境省よりこの内容で大型事業として「地域資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証事業」(毎年総額19億円)に採択されたため(http://www.env.go.jp/press/110715.html)、その研究展開の学内中心拠点として本プロジェクト研究を実施する。本環境省事業によって、地域資源循環を可能とする、革新的で比較的安価な触媒等に係る技術を開発・実証し、社会実装を促進することで、大幅な二酸化炭素の削減や化石燃料に依存しない循環経済の実現に寄与していく。