Waseda Research Institute for Science and Engineering早稲田大学 理工学術院総合研究所

プロジェクト研究

遺伝子協働機能の実験進化学(2期目)

Experimental Evolution of Genetic Devices
  • 研究番号:25P15
  • 研究分野:science
  • 研究種別:プロジェクト研究
  • 研究期間:2025年04月〜2028年03月

代表研究者

梅野 太輔 教授
UMENO Daisuke Professor

先進理工学部 応用化学科
Department of Applied Chemistry

URL:https://w-rdb.waseda.jp/html/100002916_ja.html

研究概要

実験進化学(Experimental Evolution)とは,系統学や古生物学的な「現存するものから過去を類推する」のではなく,実験室内で実際に起こしてみることによって,現在の生命分子の起源,機能的可塑性,そして今見る生物の来し方について考察する新興の学問である.実際,進化分子工学(2018年ノーベル化学賞)の技術革新と普及によって,タンパク質や核酸の分子機能がどのように生まれ,どう進化するかについて,多くの知見が得られた.
本研究PJでは,分子よりもう一段上の階層,すなわち,生合成経路,制御ネットワーク,物質輸送経路,光合成・電子伝達系など,複数の生体高分子の集合・協働によって生まれる「デバイス機能」の創発と進化の原理探究を目指し,複数の遺伝子の集積体(遺伝子クラスタ,あるいはオペロン)の実験室内進化実験を行ってきた.
3年間のプロジェクト期間のうちに,以下4つの内容について何らかの結論を得たいと考えている.

  1. 自然界にみられない新規な分子の生合成経路はどう生まれ,どう特異性を獲得するか?
  2. 力価の高い生合成機能が強制的に移植されるとき,細胞宿主の代謝ネットワークはどのようにそれに馴化してゆくのだろうか.宿主を殺すことなく,バイオ生産経路はどこまで強くできるか?
  3. 細胞内外の状態を感知して自律的に出力変換する「情報処理能力」はいかにして生まれ得るのか.酵素や生合成経路への自律的な自己調節機能の普遍的な「埋め込み形式」があるとすれば,それはどんな形式か?
  4. 細胞内外を結ぶ情報仲介機能は,どのようして生まれ得るのだろうか?

分子協働は多体問題の極地といえ,合理的設計は不可能である.本PJはあくまで基礎学問であるが,分子システム機能の設計原理の探究をもとに,次世代の生物工学(合成生物学)の高度化に貢献するのが,第二期の目標でもある.

年次報告

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