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  • 細血管系への治療機器留置により生じる三次元ひずみ分布の定量計測法の開発

細血管系への治療機器留置により生じる三次元ひずみ分布の定量計測法の開発

細血管系への治療機器留置により生じる三次元ひずみ分布の定量計測法の開発
Posted
2022年5月6日(金)
  • 研究番号:22C09
  • 研究分野:technology
  • 研究種別:奨励研究
  • 研究期間:2022年04月〜2023年03月

代表研究者

坪子 侑佑 理工総研が募集する次席研究員
TSUBOKO Yusuke Junior Researcher

理工学術院総合研究所 岩崎清隆研究室
Waseda Research Institute for Science and Engineering

URL:https://w-rdb.waseda.jp/html/100001581_ja.html

研究概要

広く普及している冠動脈ステントをはじめとした血管内治療機器では、病変血管内における機器展開時の生体血管との力学的均衡が重要となるが、そのバランスが崩れれば血管損傷や破裂をきたす。本研究では、流れの可視化に用いられる粒子画像流速計測法を応用して、微小蛍光粒子を添加した透明弾性血管モデルへの機器留置時のひずみ分布を高精度に定量化する手法を確立する。また、計測系の発展により大血管から細径血管まで広く用いられる治療機器の評価に適応可能な空間分解能を実現し、血管内治療機器におけるリスク分析や適正使用に資する情報を臨床現場へ提供することを目的とする。

昨年度は、石灰化病変の力学特性と断層画像粒子流速計測法を実施可能な透明度を併せ持つ病変モデルの試作に成功し、圧縮試験と臨床の冠動脈バルーンでの病変拡張・破壊試験を実施した。圧縮試験ならびに冠動脈バルーンでの破壊試験から、試作した病変モデルが、ヒト石灰化の圧縮強度と、臨床で破壊できる石灰化病変の厚みの限界を満たすことを実証した。
本年度は、①上記の可視化実験可能石灰化病変モデルの作製の再現性を向上させ、②これまでに研究開発を進めてきた4台の高速度カメラでのひずみ計測系でのバルーン拡張時のひずみ分布計測を行い、③治療デバイスごとの石灰化病変拡張性能と血管損傷リスクの定量化を進める。
本年度得られる成果に基づき、次年度には多領域の血管内治療機器への適用が可能なマルチスケールひずみ分布計測試験系の構築を目指す。

 

年次報告