Waseda Research Institute for Science and Engineering早稲田大学 理工学術院総合研究所

プロジェクト研究

擬人化に関わる顕在的判断と潜在的反応の検出

Detecting implicit behavioral/physiological reactions that precedes anthropomorphism in artificial intelligence
  • 研究番号:21C01
  • 研究分野:technology
  • 研究種別:奨励研究
  • 研究期間:2021年04月〜2022年03月

代表研究者

石井 辰典 理工総研が募集する次席研究員
ISHII Tatsunori Researcher

理工学術院総合研究所 渡邊克巳研究室
Research Institute for Science and Engineering

URL:https://w-rdb.waseda.jp/html/100001706_ja.html

研究概要

近年、私たちの意識はそれに先立つ無自覚の身体・生体反応として既に現れており、むしろその身体情報が集約・知覚された結果であるとする考え方が登場し、実証的な裏付けが蓄積されている。例えば対象に対する好みは意識的判断に先立つ視線の偏りとして検出できること(Shimojo et al., 2003)、声のトーンを特定の感情状態時のものに変調しそれを意識下でフィードバックすると感情状態に誘導が可能であること(Aucouturieret al., 2016)などが示されてきた。この考え方に基づけば、AIに対する擬人化についても、「まるで人のようだ」といった意識的・顕在的な判断とは別に、それに先立つ無自覚で潜在的な身体・生体反応が存在すると考えられる。それらを見つけ出し、擬人化の潜在的な指標として確立することができれば、将来的には、AIの表現方法の調整や、操作・フィードバックによる擬人化のコントロール技術として発展する可能性がある。

本研究では、擬人化に関わる潜在的な身体・生体反応を検出することが目的である。そのために、まず探索的な研究を実施する。具体的には、研究参加者にAIと現実あるいはヴァーチャル上で対峙・相互作用してもらい、顕在的な擬人化(質問項目で評価)が起きることを確認する。そして、顕在的な擬人化に先立って生じる様々な身体的・生理的変化を記録する。どのような見た目のAIであれば擬人化が起きやすいかは予備調査によって選出する。
AIの擬人化を促進するには、実験的な介入・操作が必要である。これまでの社会神経科学・発達科学等の知見によると、身体的な同期や反応の随伴性が対象の擬人化を促進することが有名である(Tuncgenc et al., 2015; Yun et al., 2012)。そこで本研究もこの方法により意識的な擬人化を操作する。例えば、ロボットが上下左右にその手を動かし、参加者が同じく手を使ってそれを追従するという身体同期課題を実施する、あるいは参加者の言語的発話や身体運動に対してAIが反応を返すなどをAIが随伴的に反応する相互作用をしてもらうなどを計画している。
こうした課題後に、顕在的な擬人化の程度を測定する。擬人化の測定には心の知覚尺度(Gray et al., 2007)、擬人観尺度(Waytz et al., 2010)などを用いる。
2020年度は新型コロナウィルス感染症の流行に伴い実験が困難であったことから、擬人化に関わる質問・尺度の作成や、予備的なオンライン質問紙調査を行うにとどまった。本年度はこれら予備研究の成果を生かして、より実験的な方法により擬人化の発生を探ってゆく。上述のように、他者との相互作用、特に随伴的反応あるいは運動の同期が、人間の対象に対する認知を変化させる可能性が示されている。そこで本年度はAIとのインタラクションを通して、まずは顕在的な擬人化が生じるかを確認する。同時に、それに伴う身体反応の変化の検出を目指す。

年次報告

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