- 研究番号:19C08
- 研究分野:technology
- 研究種別:奨励研究
- 研究期間:2019年04月〜2020年03月
代表研究者
長濱 峻介 理工総研が募集する次席研究員
NAGAHAMA Shunsuke Researcher
理工学術院総合研究所 菅野重樹研究室
Waseda Research Institute for Science and Engineering
研究概要
ロボットをはじめとして現代の機械システムは,精密な動きや高出力,高剛性を実現するために主に金属で構成されている.これらの機械は,我々人間に比較すると重量があり硬く高出力であるため,人間にとって安全であるとは言い難い.また,これらの機械システムは長く運用することを目指し自然環境に対し耐性を持つように設計されているため,自然分解されるまで時間がかかり,自然環境に対しても負荷を与えうる.そのため,機械と環境(人間環境や自然環境)が真の意味で共存するためには,機械システムの根本的な設計思想の変更を行う必要があると考える.
本研究では環境に溶け込み共存する機械システムの設計論の構築を目指す.設計論を構築する上で,環境を構成している材料である有機材料に着目し,まずはロボットを対象としてこれらの材料を主体とした機械システムの開発を行っていく.ハイドロゲルや生体分解性の樹脂などの材料の開発を行い,機械システムでいえばセンサ,アクチュエータ,CPU,構造部材にあたる部品をそれらの材料を用いて開発する.その後,それらの部品を統合したロボットシステムを開発し動作させることで課題の抽出を行い,材料や部品の特性,インテグレ―ション手法の改善サイクルを生み出し,環境と共存する機械の設計論を構築していく.最終的には,人間にとって安全な機械システムや自然環境への負荷の少ない機械システムを実現する.