- 研究番号:15P07
- 研究分野:environment
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2015年04月〜2018年03月
代表研究者

小松 幸夫 教授
KOMATSU Yukio Professor
創造理工学部 建築学科
Department of Architecture
研究概要
主に地方自治体が所有している不動産、特に公共施設のあり方について研究を進めている。わが国では少子高齢化が進行しつつあること、またそれに伴う財政状況の逼迫が予想されることにより、高度成長期に大量に建設された公共施設群の更新すなわち建替えが困難な状況になりつつある。そのため総務省や国交省から、公共施設やインフラに関して総合管理計画等の作成や長寿命化が、各自治体に対して求められている。これまで増設や拡大が当然であった公共施設の方向を180度転換させ、統廃合や縮小に向かわざるをえないのであるが、そのためには従来の思考方法の延長ではなく、新たなマネジメントの方法論が必要になってきている。
当初公共施設については、如何に保全を行うかというところで自治体から我々に問題意識を示され、研究を始めた経緯がある。そのうちに市町村合併に伴う施設の過剰が問題となり、さらに少子高齢化と財源不足による施設維持の困難性が意識されるようになってきた。現状では問題は単に施設保全の技術にとどまらず、公共サービスと施設の関係の問い直しや将来のまちの姿と公共サービスのあり方を検討する必要があるというところまで認識が進んできている。これまで規模の拡大のみを追求してきたわが国に於いては、方向転換は未経験の事態であるため、研究も実践も手さぐりの状況である。各自治体や関係団体とのさまざまな協同作業を通して研究の蓄積を重ねていきたいと考えている。