- 研究番号:17P11
- 研究分野:environment
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2017年04月〜2020年03月
代表研究者

古谷 誠章 教授
FURUYA Nobuaki Professor
創造理工学部 建築学科
研究概要
■ 近年日本社会では縮小社会にいよいよ突入し、産業構造の変化、少子高齢化の進展、人口移動による地域社会の高齢化などの社会・経済情勢の変化に伴う、地域社会の構造変化が見られる。2009年から本研究組織で行った「都市再生プロジェクト推進調査」の対象であった島根県、雲南市は、人口減少により6町村が合併して誕生した新たな市である。雲南市の周辺地域は合併後に官庁舎や公立学校舎などの遊休公共施設が多く発生するなどの地域社会的な問題が生じている一つの事例として挙げられる。
■ このような住民生活と関わりがある様々な変化は、地域社会の沈滞や住民の居住環境の悪化につながる可能性が高いと考えられる。また地域社会変化によるニーズを満たせるための新たな建築・都市計画は既存施設との関係を配慮せずに建設されケースが多く見られ、既存施設が立地する地域の孤立やプログラム重複による資源浪費による環境問題も考えられる。
■ そこでこれからの地域の在り方やデザインに関しては、旧町村界を超えた広域的な地域づくりの推進や生活構築の観点から、当初の地域リソースの目的の見直し等を通じて地域固有のポテンシャル発見と地域リソース間の相互関係を配慮した地域リソースの有効な活用方法に関する具体的設計指針の改革が不可欠となっている。
■ 本研究では、今後のこのような地域に関する問題に意欲的に取り組もうとする地方都市や建築・都市デザイン関連機関からの委託により、具体的な実践に基づいて社会経済情勢の変化と共に地域がもっている価値を見直すことが可能な地域デザイン手法の模索と提案を行うことを目的とする。
■ 現在進行中の研究題目
・新潟県上越市 月影小学校 / 千葉県鋸南町 保田小学校における廃校リノベーションの研究提案
・島根県雲南市 中山間地域での地域と大学生等による交流ゾーン形成事業
・金網を使った身体スケールの空間デザインの研究
・香川県小豆郡 空き家活用モデル事業
・奈良県 吉野材(スギ・ヒノキ)を活かした木質空間デザインの提案
・高知県宿毛市 林邸再生・活用事業研究