【開催報告】2025年11月14日「第11回電子状態理論シンポジウム」について

第11回電子状態理論シンポジウムを早稲田大学西早稲田キャンパスにて開催した。本年は「Frontiers of Theoretical Chemistry and Global Perspectives」という副題のもと4件の招待講演が行われた。学内からの参加者は27名、学外からの参加者は12名と盛況であった。

Toni Maier博士 (Technische Universität Braunschweig) には「The MH24 Functional – Beyond an Exact-Exchange Journey’s End」と題し、MH24汎関数の設計と特性についてご発表いただいた。

Daeheum Cho 准教授 (Kyungpook National University) には「Control of Spin-polarized Electron Transport in Molecular Junctions」と題し、分子接合におけるスピン偏極電子輸送の制御についてご発表いただいた。

Patchreenart Saparpakorn准教授 (Kasetsart University) には「Binding roles of 4-isochromanone derivatives as potent Acetylcholinesterase inhibitors targeting Alzheimer’s disease 」と題し、アルツハイマー病治療に向けたアセチルコリンエステラーゼ阻害作用についてご発表いただいた。

佐藤健准教授 (東京大学) には「Quantum-Classical Hybrid Simulations of Quantum Many-Body Problems:From Chemistry to Ultrafast Intense Laser Science」と題し、量子多体系に対する量子–古典ハイブリッドシミュレーションの研究についてご発表いただいた。

本シンポジウムは、国内外で最先端の研究を実施している研究者の講演により、参加者が電子状態理論や計算化学に対する理解を深めることができ、有意義な場となった。本シンポジウムで得られた知見は、プロジェクト研究「計算化学の社会実装」を推進する上で大いに役立つものである。