研究代表者は理工総研で実施するプロジェクトを通じ、最先端の計算科学技術を駆使・発展させ、原子炉過酷事故メカニズムを解明し、万が一の事故時における原子力発電技術の安全性の向上に取り組んでいる。本シンポジウムは研究代表者と共同原子力専攻の主催により、これらの研究を通じた原子力人材育成と、原子力エネルギーと並び原子力の二大分野の一つである放射線応用(加速器利用)で変わる世界をテーマに各方面の専門家らの講演を通じて、原子力の意義と課題を広く一般に発信することを目的とした。
開会の挨拶では、後藤 春彦先生(早稲田大学副総長)、野城 智也(東京都市大学学長)先生、菅野 重樹(早稲田大学理工学術院長)先生より、京都市大学・早稲田大学・共同原子力専攻の開設(2010年4月)経緯や意義、原子力の必要性や、人材育成の重要性等が紹介された。
基調講演では上坂 充(内閣府原子力委員会委員長)先生から人材育成のための厳しい専門教育と夢のある自由な研究の必要性が紹介された。また、高田 英治(国立高等専門学校機構研究総括参事)先生からネットワーク形成を通じた高専における原子力人材育成の展望、大井川 宏之(日本原子力研究開発機構理事)先生から基礎基盤研究・実装化開発を通した人材育成の取り組みが紹介された。
技術報告は「加速器で世界を変える」をテーマに、石山 敦士(早稲田大学理工学術院教授)先生、栗木 雅夫(広島大学教授)先生、岩本 信之(日本原子力研究開発機構研究主幹)先生、鷲尾 方一(早稲田大学理工学術院教授)先生から最新の研究が紹介された。