エネルギーと気候変動の問題に対処するため、従来の技術的・工学的アプローチに加えて、人間の行動に関する科学的知見を政策やサービスに応用し、省エネルギー行動や環境配慮行動を促進する試みが国内外において注目されています。
BECC JAPANは、省エネルギーや地球環境保全に寄与する、人間の行動・意思決定に着目した研究発表を行うことを目的に、毎年8月に会議を開催しており、2021年は会場開催とオンライン開催とのハイブリッド開催を予定していましたが、新型コロナウィルス感染症の感染急拡大を鑑み、完全オンライン開催に移行いたしました。研究者(工学、心理学、教育等)、技術者、企業、省庁、自治体等、延べ260名を超える専門家や多業種の方々にご参加いただき、盛況のうちに会議を終えることができました。会議前半の基調講演では、太刀川英輔氏(NOSIGNER代表 / JIDA(公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会)理事長 / 進化思考家 / デザインストラテジスト)より「進化思考:変異と適応によって高める共生的な創造性」と題し、生態系の進化の仕組みから創造性を学ぶ発想法「進化思考」から、技術開発においても変異と適応を繰り返すことの重要性についてご講演いただきました。また、ポスター発表セッションでは16編の研究報告が行われ、同時開催のスポンサーセッションではゴールドスポンサーの東京ガス株式会社、日本オラクル株式会社よりそれぞれ発表が行われました。後半は一般セッションとして、「HER/海外事例」「学校教育/親子間コミュニケーション」「家庭の省エネルギー」「情報提供」の4セッションで15編の研究報告が行われました。また、「スタートアップ×環境・エネルギー」、「世界のナッジユニット」と題してパネルディスカッションが行われました。