エネルギー総合工学研究所の小野崎正樹氏に「カーボンリサイクルで2050年温暖化ガス排出実質ゼロを目指すには」の演題で講演を頂いた。まず、小野崎氏が2005年頃に取り組んだ、2100年のエネルギーシステムの未来像を描き、その実現に向けたシナリオをバックキャストで描く試みが紹介された。続けて、日本のCO2排出とエネルギー消費の現状、日本の再エネのキャパシティーおよび海外からの再エネベースのエネルギーキャリアの導入の必要性と実現性が論じられ、その中でのカーボンリサイクル技術の位置づけが論じられた。個々の要素技術および全体システムに対して様々な視点での質問があり、議論をした。
続けて、当研究所の松方正彦所長より「2050年のカーボンネガティブ社会に必要な技術の一考察」の発表を行い、化学の役割について議論した。ものづくりで不可欠な炭素をどのように循環させるかに加え、e-Fuelとその製造方法、CO2の回収技術など世界の研究開発動向が紹介され、その中で我々がどのように研究開発に取り組むべきか論じられた。