最初に東京大学 先端科学技術研究センター 小原聡氏より「世界の環境・食料問題に貢献するバイオ燃料生産技術の開発-農工横断型プロセス設計から社会実装まで-」の演題でご講演を頂いた。アルコール企業で約20年間取り組んできた「食料増産型のバイオ燃料生産技術」について、その着想から技術の社会実装に向けた取り組み、企業内での新規事業提案までを紹介いただいた。トップの理解を得てプロジェクト化し、多様なステークホルダーと協働してサトウキビの品種改良、プロセス設計と開発、実証試験までのプロジェクトXを説明いただいた。このプロジェクトは経営トップの交替とともに中断されてしまったが、それも踏まえて社会実装研究には何が必要かを議論した。
続けて本研究所のHeng Yi Teah次席研究員より「 Concurrent Development and Assessment of Emerging Technologies: Case of Carbon Nanotubes Syntheses」の研究報告を行った。野田教授らが開発しているカーボンナノチューブの合成技術を対象に、萌芽技術の研究開発段階から技術評価を行うことで、より確実に社会実装に繋げる試みを説明した。この報告を踏まえ、今後の当研究所での研究活動の進め方について議論した。