最近の化学工学講習会は、化学工学会関東支部主催の伝統ある行事で、最近大きく前進した分野の成果や考え方を集成して解説すると共に、できるだけ次の数年間への問題提起を行うことを目的として企画されています。第69回の今回は、SDGsの目標「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」および「世界の消費と生産における資源効率を改善し持続可能な経済成長を推進する」を達成するために不可欠なリサイクルをテーマに、これを専門とする17名の講師を招き二日間に渡りオンラインで実施しました。68名の産学の研究者や技術者などが参加し、リサイクルを支える基礎的な単位操作から最近話題のサーキュラーエコノミーとそれを支えるシステム的な考え方、および具体的なリサイクル技術とその事例まで広範囲なトピックスについて学びました。
本企画では、講習会に使用する教科書として「バリューチェーンと単位操作から見たリサイクル」(三恵社)を出版しました。講習会の講師の先生方を中心に執筆いただき、所千晴先生(環境資源工学科・教授)、中村崇先生(東北大学・名誉教授)の監修によって完成した本書籍は、参加者からも大変好評で、この分野に携わる研究者や技術者にとって大いに役立つ教科書として期待されています。