エネルギーと気候変動の問題に対処するため、従来の技術的・工学的アプローチに加えて、人間の行動に関する科学的知見を政策やサービスに応用し、省エネルギー行動や環境配慮行動を促進する試みが国内外において注目されています。
BECC JAPANは、省エネルギーや地球環境保全に寄与する、人間の行動・意思決定に着目した研究発表を行うことを目的に、毎年8月に会議を開催しており、2020年は新型コロナ感染症予防のためオンライン開催となりましたが、研究者(工学、心理学、教育等)、技術者、企業、省庁、自治体等、延べ230名を超える専門家や多業種の方々にご参加いただき、盛況のうちに会議を終えることができました。
会議前半の基調講演では、川上浩司教授(京都大学情報学研究科特定教授)より「不便益のススメ」と題し、「不便益」の発想から生み出されるデザインや仕掛け、またその考え方についてご講演いただきました。後半は一般セッションとして、「ホームエネルギーレポートによる情報提供」「行動変容に関する自治体等の取組」「卒FIT/AIによるエネルギー分析」など、9セッション31編の研究報告が行われました。