Waseda Research Institute for Science and Engineering早稲田大学 理工学術院総合研究所

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【開催報告】2020年2月3日「「AIと有機合成化学」第四回公開講演会」について

2020年2月3日に早稲田国際会議場にて開催された「AIと有機合成化学」第4回公開講演会は、108名の申し込みがあり、当日参加者を含め、133名の参加者を迎え盛況の内に開催された。産学の当該分野研究者の中から選ばれた4名の講演者により本講演会は行われた。中嶋隆人先生(理研)は「スーパーコンピュータを利用した分子シミュレーションとインフォマティクスによる新材料設計」の演題で講演された。「京」のようなスーパーコンピュータを利用した第一原理分子シミュレーションによる材料設計手法と応用例について講演され、「京」や「富岳」の能力を最大限に発揮できる理論分子科学の計算手法とそのための計算ソフトウェア「NTChem」について講演された。また、「京」を使ったハイスループット・シミュレーションと機械学習に基づいたマテリアルズ・インフォマティクスを使った新材料設計の応用例についても講演された。宮尾知幸先生(奈良先端科学技術大学院大学)は「化学構造生成器の開発と深層学習を利用した生成モデルについて」の演題で講演された。ケモインフォマティクスにおける分子設計では統計モデルを利用して新規の分子構造を創出する。統計モデルは機械学習モデルと同義であり、分子構造は分子の2次元表現である化学グラフに相当する。分子構造を創出する手法は様々あり、モデルの逆解析に基づく方法や、分子構造の線形表現に着目した生成モデルなどがある。今回は、その中で幾つかの手法を概説され、仮説生成としての分子構造生成手法について講演された。山口滋先生(理化学研究所)は「分子場解析に基づくデータ駆動型不斉触媒設計法の構築」の演題で講演された。分子場解析と呼ばれる、反応にとって重要な3次元構造情報の抽出・可視化が可能な回帰手法に基づく、データ駆動型不斉触媒設計法について講演された。芹沢 貴之先生(旭化成ファーマ)は「創薬化学へのAIの活用(現状と課題)」の演題で講演された。旭化成ファーマにおける研究サイクルの加速を目指したAIの活用への取組みを紹介され、現状の課題などに関しても言及され、創薬研究におけるAIの活用に関して講演された。講演参加者からは多くの質問があり、活発な討論が行われた。そのため、予定していた質疑応答の時間が不十分であったが、コーヒーブレイクを設けていたため、その時間に講演参加者が講演者と直接ディスカッションする機会があったことは幸いであった。

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