Waseda Research Institute for Science and Engineering早稲田大学 理工学術院総合研究所

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地球再生塾、国連SDGsへの取り組み  ―地球再生塾 第1回勉強会開催報告―

2018年7月6日、西早稲田キャンパスにて「早稲田地球再生塾第1回勉強会」が開催され、約130名の来場者を迎えました。
この早稲田地球再生塾(略称WERS)は、本学理工学術院総合研究所(以下理工総研)に新しく開設された7つのクラスター研究所間の連携と研究成果の社会還元に向けた支援展開の促進を目的に、異分野の研究者や技術者の新たな出会いの場の提供と、新たな研究の企画や立案と実践や事業化に向けた学内外に開かれた研究会として立ち上げられたものです。

WERSでは、政府が第5期科学技術基本計画において定めた未来社会の姿である「超スマート社会(Society 5.0)」と、国連が定める持続可能な開発目標である「SDGs」に対応し、理工総研が産学官連携を推進して達成できる、新たな地球再生の目標とテーマを設定することを最終ゴールとしています。さらに、生物資源とバイオテクノロジーを用いて地球規模の課題の解決と経済発展の共存を目指すOECDの「バイオエコノミー」も技術開発指針としながら、環境と調和したモノづくり技術やエネルギー・資源の利用技術における革新に寄与することを目指しています。

今回の第1回勉強会は、サブタイトルを“SDGs推進のための建築物の脱炭素化と新しい緑のデザイン”としています。これは、日本政府が設置しているSDGs推進本部が2017年12月に公表したSDGsアクションプラン2018の優先課題⑤の“省エネ・再エネ、気候変動対策、循環型社会”を中心として、さらにバイオエコノミーの最新動向を加えて議論をすることを目的とします。建築・自然エネルギー・バイオエコノミーといった各分野の専門家が、各分野の動向と今後の展望について活発な議論と意見交換を行い、会場は大盛況となりました。

勉強会は、はじめに木野邦器 理工総研所長より、開会の挨拶がありました。木野所長は、Society 5.0およびSDGsの概要とWERS開設の背景についての紹介、そして今回の勉強会の目的が、地球再生を軸として持続可能で豊かな未来社会を目指すうえで、伝統ある建築研究との組み合わせを探ることにあると述べました。

木野邦器 理工総研所長

講演では、4名の専門家が登壇しました。
芝浦工業大学建築学部建築学科 秋元孝之 教授は、「ゼロ・エネルギーハウス (ZEH)の今後の課題」と題し、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(以下ZEH)についてのご説明やSDGsとZEHとの関係、集合住宅におけるZEHについてのご説明を通じて、環境建築の発展と更なる普及に向けた今後のZEHの重要性について述べました。

芝浦工業大学建築学部建築学科 秋元孝之 教授

公益社団法人 自然エネルギー財団の大野輝之 常任理事は、「世界の自然エネルギー拡充と日本の課題」と題し、風力・太陽光といった自然エネルギーの世界的な急拡大に触れ、その背景にあるパリ協定による世界的な脱炭素化と自然エネルギー利用の価格低下について、またその国際的な流れに乗り遅れている日本の課題と国内の新たな動きについて説明しました。

公益社団法人 自然エネルギー財団 大野輝之 常任理事

早稲田大学創造理工学部建築学科 田辺新一 教授は、「ゼロ・エネルギービル(ZEB)の今後の展開」と題し、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(以下ZEB)の実現を目指す日本の現状についての説明や、日本でのガイドラインおよび取り組み事例のご紹介、ZEBの将来の展望と新しい省エネ概念としてのESG投資と建築の関係性といった内容について述べました。

早稲田大学創造理工学部建築学科 田辺新一 教授

日本バイオ産業人会議(JABEX) 坂元雄二 事務局次長は、「世界のバイオエコノミー戦略と緑のデザイン」と題し、JABEXについてのご説明やSDGsとバイオテクノロジーの関係性、各国のバイオエコノミー戦略とバイオによる未来の社会像についての説明、そしてバイオによる緑のデザインへの貢献として建築に利用できるバイオテクノロジーについて述べました。

日本バイオ産業人会議(JABEX) 坂元雄二 事務局次長

その後、講演した4名と、早稲田大学創造理工学部建築学科の古谷誠章 教授を加えた計5名によるパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、モデレーターの田辺教授を中心に、今後の住宅の形について、自然エネルギーが一般化することに伴う省エネの必要性について、太陽熱の利用についてなど、講演内容を更に掘り下げるような議論が展開されました。

パネルディスカッション

また、聴講者にマイクが向けられる場面もあり、環境資源としての森林について、災害のエネルギー利用についてなど、多角的な視点での議論が繰り広げられました。パネルディスカッションの最後には、古谷教授から、「持続可能」の形として、必要なものが入れ替わりながら社会全体で持続可能であるという新陳代謝型の形というのもあるのではないかということ、持続可能な社会形成の取り組みに乗り遅れかかっている層を底上げしないと全体の引き上げにならないことに対して、取り組みのパートナーのような存在が必要なのではないかという2つの提言がありました。

続けて古谷教授から閉会の挨拶がありました。古谷教授は、今後もWERSにおいて技術革新に向けての分野を超えた新たな議論活性化の窓口を開いてほしいと述べました。

早稲田地球再生塾は、今後も本勉強会をはじめとする様々な活動を通じて、分野を超えた活発な議論を行い、技術革新を推進することで持続可能な社会の実現を目指してまいります。

【概要】
開催日:2018年7月6日
主催:早稲田大学理工学術院総合研究所
場所:早稲田大学西早稲田キャンパス63号館2階03会議室

【登壇者】
開会挨拶 木野 邦器 早稲田大学理工学術院総合研究所 所長
趣旨説明 田辺 新一 早稲田大学創造理工学部建築学科 教授 兼
WERS 第1回勉強会コーディネーター
講演1 秋元 孝之 芝浦工業大学建築学部建築学科 教授
講演2 大野 輝之 公益財団法人 自然エネルギー財団 常務理事
講演3 田辺 新一 早稲田大学創造理工学部建築学科 教授
講演4 坂元 雄二 日本バイオ産業人会議(JABEX) 事務局次長
閉会挨拶 古谷 誠章 早稲田大学創造理工学部建築学科 教授
司会 荒 勝俊 早稲田大学理工学術院総合研究所 上級研究員

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