Waseda Research Institute for Science and Engineering早稲田大学 理工学術院総合研究所

プロジェクト研究

異なる密度をもつ材料からなる模擬河床上で生じる土砂移動現象(2期目)

Mechanism of sediment transport on bed composed of materials with different density
  • 研究番号:18C05
  • 研究分野:environment
  • 研究種別:奨励研究
  • 研究期間:2018年04月〜2019年03月

代表研究者

平松 裕基 理工総研が募集する次席研究員
HIRAMATSU Yuki Researcher

理工学術院総合研究所 関根 正人研究室
Research Institute for Science and Engineering

研究概要

流砂とは、水流によって移動する土砂のことを指します。この流砂に関わる研究には半世紀以上にわたる歴史があり、平地を流れる河川区間で生じる流砂現象についてはかなりのところまで明らかにされてきています。これらの成果を用いて様々な現象を対象とした数値計算がなされてきていますが、その中にはメカニズムが十分に解明されたわけではない現象にまで拡張した計算も含まれています。河川をできるだけ自然な姿に維持しつつ、洪水被害が発生しないように整備・管理していく上では、移動床水理実験を通じてこのような河床の変動過程のメカニズムを理解することが必要です。

1980年代ごろまでに粒径の異なる材料からなる場を対象とした流砂研究が数多くなされてきました。このような場では、同じせん断力が作用したとしても各粒径の材料の移動量が異なるため、鉛直方向ならびに流下方向に粒径の分布が変化します。具体的には、一般的に大きな材料の方が移動し難いため河床表面に留まり、その間隙から小さな材料が抜け出すことによって河床表面ならびに上流側の方が河床材料の平均粒径が大きくなります。この現象を「分級」と呼びます。

申請者らはこれまで、河床を構成する材料の粒径の幅が従来取り扱ってきたものよりも極端に広い河床上で生じる流砂現象に着目してきました。その結果、特徴的な鉛直分級が生じることがわかりましたが、このメカニズムをさらに深く明らかにしていくためには異なる観点からの検討が必要です。

その一例として、例えば河床構成材料の密度の違いによって生じる分級現象に着目しました。この密度の違いに着目した既往の研究はほとんど見られません。2010年の台風9号の影響により、静岡県駿東郡小山町では山腹斜面が崩壊し、火山砕屑物の一種であるスコリアを含む土砂が河道内に供給され、被災当時の長期濁水化の要因になりました。通常の砂礫よりも密度の小さな材料が含まれた河床上で生じる土砂移動現象を時空間的に予測できるようにすることによって、河川管理にとって有益な情報を提供することが本研究の目的です。

年次報告

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