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エネルギー・輸送推進・社会インフラを支えるターボ機械システムの高度化(1期目)

エネルギー・輸送推進・社会インフラを支えるターボ機械システムの高度化(1期目)
Posted
Mon, 27 Apr 2026
  • 研究番号:26P10
  • 研究分野:technology
  • 研究種別:プロジェクト研究
  • 研究期間:2026年04月〜2029年03月

代表研究者

宮川 和芳 教授
MIYAGAWA Kazuyoshi Professor

基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科
Department of Applied Mechanics & Aerospace Engineering

URL:http://www.miyagawa.mech.waseda.ac.jp/

研究概要

 本プロジェクト研究は、発電システム、航空機・ロケット・船舶・自動車の推進機、さらには洪水対策用ポンプや低温設備などの社会インフラを支える多様なターボ機械に対し、極限環境における流体・熱・構造の複合挙動を精密に理解し、それに基づく高性能・高信頼ターボ機械の最適設計技術を確立することを目的とする。特に、極低温流体、気液・固液二相流、流体構造連成(FSI)、高負荷運転域における不安定現象など、従来の解析・設計では十分に把握しきれなかった領域を重点的に解明する。 

 具体的には、水力発電タービン、ロケット用ターボポンプ、船舶プロペラ・ジェット推進機、水素エネルギー用液体水素ターボポンプ、上下水道用ポンプ、洪水・消防用の大容量ポンプなど、国家的に重要な機器を対象とする。近年の高性能計算環境や高精度実験の進展により、マルチフィジックス解析・高分解能計測・最適化技術を高度に統合することが可能となった。本研究では、これらの先端技術を駆使し、(1)複雑流動の予測精度向上、(2)損失低減と高効率化、(3)極限環境下での信頼性向上、(4)設計最適化手法の体系化 の4点を主要課題として取り組む。 

 本プロジェクト研究が明らかにするのは、ターボ機械内部の非定常・非線形な流体現象と、熱・構造応答との相互作用のメカニズムであり、これに基づく性能限界・安定作動域の定式化、および 統合型最適設計フレームワークの確立 である。これらは、発電効率の向上、ロケットや航空機推進の高性能化、水素エネルギー利用の加速、防災・減災の実効性向上など、複数分野に横断的な価値をもつ。 

 本研究の意義は、カーボンニュートラル社会の実現に資するエネルギー機器の高効率化、輸送・宇宙開発を支える推進システムの高性能化、災害対策・生活基盤を守る社会インフラ機器の信頼性向上、という国家的要請に直接応える点にある。また、解析・実験・最適化を統合した設計技術を体系化することで、企業・研究機関との共同研究を通じて実機開発へ展開可能な成果を創出できる。 

 以上より、本プロジェクト研究は、多様なターボ機械の性能限界を科学的に解明し、次世代インフラを支える高性能・高信頼機械の設計基盤を構築するという明確な焦点と高い社会的価値を有する研究である。 

年次報告