なぜ選挙の投票率は、上がったり下がったりするのか。なぜ世界には、民主主義の国もあればそうでない国もあるのか。なぜ敵対する国家と国家は、戦争することもあれば、戦争を回避できる場合もあるのか。
政治に関するこうした様々な「なぜ」を考えるのが、政治学です。政治学の研究では、単なる印象や直感をそのまま語るのではなく、ロジックに裏打ちされた理論モデルと客観的・体系的なデータに基づく分析や解釈を提示します。それは最先端の知見が定説や常識を覆すといったことがしばしば起こる、非常にダイナミックな学問分野です。みなさんが高校で習った政治についての知識や解釈が、大きく塗り替えられることもあるでしょう。
最近では、政治制度、選挙、世論、民主化、テロ、国内及び国家間の紛争などについて、誰もがアクセスできるデータセットが充実してきました。また、本学術院は、統計、ゲームモデル、実験といった新しい分析手法で基礎から体系的に学ぶ態勢が整っており、世界的にその研究が知られている多くの教授が揃っています。こうした恵まれた環境の中で、本当に一握りの「選ばれた」存在として、自分で関心のあるテーマについてこれまで誰も思いつかなかったようなオリジナルな研究を進め、学生一人ひとりが政治についての理解のフロンティアを切り拓いて行って欲しいと思います。