公共経営大学院
添田 美和
1.プログラムの実施スケジュール
日程 | 第1日目 | 第2日目 | 第3日目 | 第4日目 | 第5日目 | 第6日目 |
8月3日(日) | 8月4日(月) | 8月5日(火) | 8月6日(水) | 8月7日(木) | 8月8日(金) | |
午前 | ・現地集合 | ・開講式 ・関係施設見学 |
・関係施設見学 ・担当課との意見交換会 |
・提言作成 | ・中間発表 | ・提言作成 ・発表会準備 |
午後 | ・ガイダンス ・研修 |
・関係施設見学 ・関係団体との意見交換会 ・住民アンケート調査 |
・教授による特別講義 ・関係団体との意見交換会 ・関係施設見学 |
・関係施設見学等 | ・提言作成 | ・発表会 |
夜 | ・歓迎会 | ・グループ学習 | ・グループ学習 | ・提言作成 | ・提言作成 | ・解散 |
2.プログラムの内容、参加して得た成果、感想
フィールドスタディとは、地方自治体が抱える地域課題について、「現場」の視点に立って課題を発見し、その解決のための政策・施策の立案に取り組み、自治体首長に対して提言することを目的とするものです。今回、私が参加した奥州市でのフィールドスタディにおいても、小沢奥州市長をはじめとする市役所の皆様、多くの市民の皆様のご協力のもと、与えられたテーマについて政策提言をとりまとめ、ご協力いただいた皆様のまさに目の前で発表する機会をいただきました。
今回のフィールドスタディには10名の学生が参加し、2班に分かれて政策提言のとりまとめを行いました。開講から提言(発表会)までの大まかなスケジュールは、上に掲げた「実施スケジュール」のとおりです。今回、私たちに与えられたテーマは「家庭ごみ減量に向けた取り組みについて」というものでしたが、まさに「現場」の視点から課題を発見するため、最終処分場などの関連施設見学や、地域で活動されているさまざまな団体との意見交換会などがスケジュールに盛り込まれました。こうした行程を通じて、私たち学生なりに「何が課題であるか」を考え、5泊6日という短い期間ではありますが、解決に向けた政策提言をまとめ上げました。
ただ、ひと口に「私たち学生なりに」と書きましたが、「学生」といっても、大学卒業後すぐに大学院に入学した学生もあれば、現役の社会人または社会人経験のある学生も含まれます。年齢も、抱える背景も異なる学生たちが、文字どおり寝食を共にしながら、一つのテーマについて真剣に議論を交わすため、グループ学習や提言作成の作業において、時に意見が食い違うような場面もありました。しかしながら、そのような場面においても、個人作業ではなくグループワークであるからこそ、自分の考えはしっかりと持ちつつも、他の班員の意見も尊重した上で、どのようにすれば班全体として考えを共有できるのか、そのために自分には何ができるのかを考えながら発言し、行動することが重要です。今回のフィールドスタディに参加したことで、さまざまな考え方や意見がある中での相互理解・合意形成のあり方、そこでの自分の役割や振る舞い方について、少なからず学ぶことができたと感じています。また、こうした貴重な経験は、秋学期の授業はもちろんのこと、今後の社会生活においても活かすことのできるものであると考えます。
3.プログラムのおすすめポイント
上にも書いたとおり、一人ひとりが真剣に取り組むからこそ、グループワークの場合には、意見の相違といった厳しい場面が出てくることもあると思います。しかしながら、今回のフィールドワークでは、他の人の意見に真摯に耳を傾けることで、自分一人で考えた場合には思いもつかなかったような素晴らしいアイデアに遭遇することが多々ありました。こうしたアイデアを積極的に盛り込むことで政策提言がより良いものへとブラッシュアップされていく過程を班全体が実感し、共有する中、フィールドスタディの終了時には、それまで知ることのできなかった班員たちの人間性を知ることができ、絆を大きく深めることができたと感じています。
普段の座学中心の授業では知り得ない行政の現場を体験することができるのはもちろんのこと、年齢やそれまでの経験などの垣根を越えた学生相互の絆づくりができるという点は、このプログラムの醍醐味であると考えます。
地域団体との意見交換会 | ごみステーション視察 |
政策提言発表会 | 参加者記念撮影 |
(2014年10月18日掲載)