Graduate School of Political Science早稲田大学 大学院政治学研究科

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研究科について

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研究科長挨拶

大学院政治学研究科 研究科長 小原 隆治

早稲田大学大学院政治学研究科に関心をお寄せいただき、ありがとうございます。

政治とはなにか。民主主義とはなにか。政治学を学ぶ者にとって最大といっていいこうした問いが、現実政治との関連でわたしたちに厳しく向けられる時代を迎えています。「政治は数だ」「数は力だ」「力は正義だ」といわんばかりの議会政治のあり方が、日本の国政でも地方政治でもまかり通ることが多くなってきたからだと考えます。
もちろん「政治は数だ」のルールが実現したのは、人類の長い歴史のうえから見れば1つの大きな進歩です。19世紀に生きたイギリスの保守思想家がこんなことを皮肉な調子で述べています。「議会政治というのはただ見かけを変えただけの強制だ。議会政治にあっては、頭をひねり潰す代わりに頭数を数えることによって(by counting heads instead of breaking heads)、強制する力の度合いが試される。しかし、ひねり潰すのでも数を数えるのでも、強制による政治という点では原則はまったく同じである」(Stephen, J. F. (1873) Liberty, Equality, Fraternity, Smith, Elder, & Co., pp.27-28)。
この言葉に対して、ここでは2つの点を指摘します。1つは、頭をひねり潰すよりも頭数を数える政治の方がはるかにましで、それを進歩と呼んでいいだろうということです。もう1つは、議会をただ頭数を数えるだけの場に貶めるほど、わたしたちは政治に絶望していないということです。
政治には一般的にいって「決める」と「話し合う」の2つの契機があります。たとえば大災害が地域を襲ったとき、自治体首長が住民に対して避難指示を出すかどうか、出すならいつ出すかを「決める」判断をむやみに先延ばしすることはできません。その一方で、当然のことながら、政治の日常はそうした極限状況ばかりで構成されているわけではありません。また、いざというときすぐに迷いなく合理的な決断ができるようにするために、常日頃からどれほど「話し合う」努力がなされているかが問われてしかるべきでしょう。
「決められない政治」という否定的な意味合いを強く帯びたステロタイプな言い方によく示されているとおり、政治の大事な役割をものごとを決めることに、しかもそれだけに求める風潮が広がっているように感じられます。「決める」政治に対して「話し合う」政治の復権をどう図るか。それがいま、わたしたち政治学を学ぶ者に問われています。
もっとも皆さんが本研究科に入学し、修士論文や博士論文に取り組むとき、政治とはなにか、民主主義とはなにかをそのまま論文題目にすることはおそらくないと思います。取り上げるのはもっと個別具体的な課題になるでしょう。しかし、個別具体的な課題を論じるときも、政治学最大の問題との関連を意識し、緊張感を維持してほしい。わたしはそのことを皆さんに強く望みます。

本研究科は1951年に創設されて以後、千数百人にのぼる豊かな人材を社会に送り出してきました。送り出した分野は研究・教育職を中心として、ほかに国家・地方公務員、ジャーナリスト、政治家などさまざまです。現在、研究科の体制は、政治学専攻政治学コース、同ジャーナリズムコース、公共経営専攻の3本建てで、政治学コースはさらに内部で現代政治、政治思想・政治史、比較政治、国際関係、公共政策の5つの領域に分かれています。
それらの研究指導システム上の特色については、本研究科のウェブサイトやパンフレットをぜひよくお読みください。ここではひとこと、実際、研究指導を担う教員が人材豊富だと誇れることを強調したいと思います。教育ほど人的要素に依存する分野はありません。本学ウェブサイト上の研究者データベースなどにより、教員の研究関心や実績をよく見定め、ご自身の研究関心とよく照らし合わせて検討してください。
意欲旺盛な学生を迎え、学知の前では真摯かつ対等な立場でともに研鑽できることをわたしたち教員一同願っています。

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