School of Law早稲田大学 法学部

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「あいおいニッセイ同和損害保険株式会社寄附講座 メタバースと法」を2023年秋学期から開講!

早稲田大学法学部で寄附講座「メタバースと法」を開講~安全・安心なメタバースの環境整備に向けて~

MS&ADインシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(代表取締役社長:
新納 啓介、以下「あいおいニッセイ同和損保」)と早稲田大学法学部(学部長:田村 達久)は、メタバースにおける法的課題の整理や規制・ルール作りを考察する授業を展開し、仮想空間に理解のある法的素養を備えた人材を育成することを目的とした寄附講座「メタバースと法」を2023年秋学期(10月6日~)に開講します。

 

1. 背景

近年、インターネット上に作られた仮想空間であるメタバース空間は、エンターテイメント、ショッピング、ゲーム、教育および医療など様々な分野への活用が期待されています。また、ユーザーが自身の分身であるアバターに着せる服や靴、帽子などを、偽装不可能なNFT(Non Fungible Token、非代替性トークン)アイテムとして購入する取引が活発に行われています。このようにメタバース空間でも、現実空間と同じような経済活動が行われており、メタバース市場は年々拡大していくと予測されています。
一方、現状はアバターの法的地位の課題やアバター間での模倣品販売・迷惑行為・ハラスメントをはじめ、多数の法的課題が存在しており、誰もがより安全・安心にメタバースを利用できる法的仕組みを整える必要があります。
そこで、あいおいニッセイ同和損保は、メタバース空間を運営・管理する事業者やメタバース上でサービスを提供する事業者を対象とする国内初の「メタバース専用パッケージ保険」を販売するなど、安全・安心なメタバースの発展に資する商品・サービスの検討を進めてきました。
また、早稲田大学法学部は、先端科学技術を社会に実装化する際に生じ得る倫理的・法的・社会的な課題(ELSI:Ethical, Legal and Social Issues)に対しリーガル・マインドをもって取り組むリーダーを育成することを目的に、2022年度に「先端科学技術と法コース」を新設しました。さらに、早稲田大学内に、先端科学技術に係る法的課題について研究する「先端技術の法・倫理研究所」を設置し、「メタバースと法」研究会を同研究所内に設けています。
このような背景から、あいおいニッセイ同和損保と早稲田大学法学部は、双方の知見をもとにメタバースにおける法的課題を整理し、法規制やルール作りおよびメタバース空間を理解した上でELSIに対処できる法的素養を備えた人材を育成することを目的に、2023年度秋学期に寄附講座「メタバースと法」を開講します。

 

2. 寄附講座「メタバースと法」の概要

(1)講座の概要

受講生のメタバースに対する関心を育み、理解を深めたうえで人材育成を行う目的から、担当教員と受講生が全員アバターになってメタバース空間で授業を展開します。
メタバース空間と現実空間との関連性があるか、現実空間における法規制やルールがどこまでメタバース空間の法的課題に及ぼされるべきか、倫理的・社会的課題を意識して考察します。
様々な国や地域のユーザーによりNFTアイテムの越境取引が頻繁に行われる場合、メタバース空間において、どのような法規制をすべきか、その規制はどのような内容とすべきかについて、倫理的・社会的課題にも配慮しながら、法政策的視点から考察します。

 

(2)講義の内容

① 講座名:「メタバースと法」
② 担当教員:早稲田大学法学部 肥塚 肇雄教授・平井 光貴講師
③ 対象:同学部学生3年次以上
※講義概要等詳細はシラバスよりご確認ください。

 

<担当教員(肥塚教授)からの意気込み>

肥塚肇雄 教授

肥塚肇雄 教授

本講座は、受講生がメタバース体験を通じて、先端科学技術の社会実装化に向けて社会受容性を高めるための法規制のあり方やルール作りおよびリスクへの対応を考察する実践的な場となります。受講生のメタバースに対する関心や興味は一層高まるでしょう。このような講座は法学系の学部では初めての試みだと思います。本講座の内容や研究成果については、できる限りわかりやすく、高校生や一般社会人に向けても発信していきます。本年度は、本講座と並行して、講座の内容を一部掘り下げ、かつ法的視点から解説を加えた「横川敏雄記念公開講座(連続5回)」を9月から10月に開講します。本講座の開講を契機に、メタバース空間に係る教育と研究への取り組みの効果が波及的にリアル空間のルールの改善につながれば、幸いです。

3.今後の展開

あいおいニッセイ同和損保と早稲田大学法学部は、次年度以降の講座に、授業の成果や国・経済界の動向を踏まえたメタバース技術の発展、法規制のあり方などを反映させることで、講座内容をより充実させ、有為な人材を育成していきます。また、あいおいニッセイ同和損保と早稲田大学「先端技術の法・倫理研究所」は、寄附講座の開講を機に、技術革新が著しいメタバースに係る法的課題、必要な法規制・ルール、起こり得る未知のリスクの防除等のあり方についての研究をさらに推進します。メタバースをより多くの方に安全・安心に利用いただけるよう、社会実装化の促進に向けて貢献していきます。

関連リンク

「あいおいニッセイ同和損害保険株式会社寄附講座 メタバースと法」2023年度シラバス

法学部に2022年度から新コース開設

先端科学技術と法コースの修了要件と指定科目一覧について

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