School of Humanities and Social Sciences早稲田大学 文学部

「日本の彫刻史【仏像・神像・肖像・動物・仮面】-しくみ と 謎解き?!-」文学部 川瀬由照教授(新任教員紹介)

自己紹介

勉強は苦手でしたが小中学生の頃から仏像が好きだったので美術史や文化財の研究のできる早稲田大学になんとか入学することができました。博士課程4年のときに文化庁の美術工芸課彫刻部門の文部技官に採用され、21年奉職した後本学教員に戻ってまいりました。

文化庁では多くの文化財のうち彫刻の国宝・重要文化財の指定や管理、海外での展覧会の開催の業務に携わり、また修理担当として保存修理に関わる補助金の事務処理や修理方針等の技術指導を行っておりました。彫刻の範囲は広く仏像・神像・肖像・動物・仮面など優れた作品が日本にはたくさん残っております。

私の所属していた美術学芸課には、彫刻以外にも絵画や工芸品、書跡、典籍・古文書や考古・歴史資料、保存科学に関する第一線の調査官が日本の文化財を守るべく調査や保存管理・修理など多くの業務を行っており、彼らと机を接して他分野の文化財のことも知ることができたことは私の財産です。また行政的なことや日本のみならず海外の博物館・美術館に仕事に行くことによって学芸員業務の様相を考える貴重な経験をすることができました。

図1「イタリア・ローマ市のクイレナーレ宮美術館における文化庁主催海外展「日本の仏像展」会場(2016年開催)」

図2「仏像の梱包作業」

私の専門分野、ここが面白い!

美術史の大きな特徴は学術資料である作品の上手い下手・優劣という視点があることです。他分野でも学術資料の優劣はありますが作品の出来栄えの良し悪しを見分け、優れた作品を研究することによって当時の技術やその意義、背景を探求しようとします。

宝物というところからはじまった美術史研究は資料という言い方はほとんどしません。作品、ご尊像、お品、お軸などと呼び、愛着や尊敬をもって扱います。好きな作品や作家・流派、きれいな作品・かっこいい作品・不思議な作品、いろいろな視点から研究をはじめることができます。

ホンモノかニセモノか見きわめる目や作品の優劣を見きわめる目を身につけ、どのように作られているのか、かたちのもつ意味は何なのか、どうしてそこにあるのかなどの謎解きを行うことができれば、自分なりの答えを見出すようになるでしょう。作品をよく調べると、作品から教わることや優れた作品から得られる感動は何にも代えがたい喜び与えてくれます。修理を実際に行う優れた技術者からも多くのことが学ぶことができます。

人文学は社会に役に立たないと言われますが、私はそのようには考えておりません。現在残っている過去の遺品・モノを正確に分析・記録、保存していくことは現在生きている者として必ずしておかなければいけない行為です。

図3「仏像の調査風景」

プロフィール

早稲田大学第二文学部美術専修卒業、早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)専攻博士課程満期退学
文化庁文化財保護部美術工芸課彫刻部門文部技官、同 文化財部美術学芸課彫刻部門文化財調査官を経て現職。
専門は東洋・日本の彫刻史。日本美術を中心とした文化財学や周辺領域の博物館・美術館学、文化財行政学、文化財の保存修理。

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