
左から佐藤さん、田邊さん、後藤さん、杉村さん
「好きなことを仕事にできたらいいな」「いや、仕事は別でしょ。給料や福利厚生は大事だし」「仕事内容も給料も妥協したくない!」。“就職活動”(以下、就活)という進路の大きな決断を迫られるとき、あなたは何を軸に就活しますか? 今回は、“好き”を仕事に選んだ校友2人と、仕事とは別に好きなことはオフタイムで楽しんでいる校友2人に取材。業界や職種も全く違う4人が、どのように就活し、社会人としてどんな生活を送り、休日を楽しんでいるのか。これから就活する人や既に決まった人も、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
▼“好き”を仕事に? オフを楽しむには?
▼キャリアセンター主催就活イベント
“好き”を仕事に? オフを楽しむには?
4人の校友はどのような学生時代を過ごして、就活をしたのでしょうか? 社会人になって仕事も頑張りながら趣味を楽しむそれぞれの生活について聞きました。
後藤 慧胤(ごとう・けいいん) 花王株式会社勤務 2022年 商学部卒業
杉村 奏(すぎむら・そう) 株式会社MIXI勤務 2025年 国際教養学部卒業
佐藤 里咲(さとう・りさき) 出版社勤務 2024年 人間科学部卒業
田邊 紗彩(たなべ・さや) エンタメ系企業勤務 2025年 文化構想学部卒業
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就活で大切にした“自分の軸”
――就活を進める上で重視したポイントは何ですか?

田邊さん
佐藤:子どもの頃から漠然と、「メディア関係の会社で働きたい!」と思っていたんです。『早稲田ウィークリー』で学生スタッフとして記事を書いたり、出版社でアルバイトをしたりする中で、「こうした仕事をもっと本格的にやってみたい」という思いが強くなって。それが、進路を考える上での軸になりました。
田邊:私は音楽が好きで、仕事でも音楽に関わりたいと思っていました。でも、音楽業界は新卒の採用人数が少ないところが多く、狭き門だと覚悟していたので、幅広い業界で就活をしました。音楽業界以外でも内定をいただいたのですが、趣味から仕事へのアイデアを得られるのは大きいと思ったのと、人生のうち週5日、1日8時間以上割くなら、“好き”を生かせる方が頑張れると思って決断しました。
――オンタイムとオフタイムを分けて仕事を選んだ後藤さんと杉村さんは、どういう軸で就活を進めましたか?
後藤:自己分析で軸を三つ決めて、当てはまる会社を受けました。一つ目は、会社の商材やサービスに自分自身が自信を持てること。二つ目は、一緒に働く仲間が魅力的であること。三つ目は、自分の仕事で世界中の人の生活の質を向上できたらなって。いろんな国を旅してみて、日本では当たり前の衛生環境はグローバルスタンダードではないと気付いたんです。どうせ働くなら、こういう社会課題にアプローチできる会社に勤めたいと思いました。

杉村さん
杉村:自分の場合、親の教育方針で英語教育に力を入れてもらったおかげで英語は話せましたが、大学に入るまで海外に長期滞在したことがなかったんです。だから大学では、日本人になじみのない場所へ行こうと、ポーランドのワルシャワ大学に留学しました。その時、日本人というだけで好意的に接してもらう機会が本当に多くて。それは先人たちからの恩恵だと感じた時に、次は自分が国際的に日本の価値を高める仕事をしたいと思って、商社かエンターテインメント業界を志望しました。
学生時代にワセオケでやってきた“演奏会を企画して喜んでもらうこと”と、“エンタメのイベントを企画して楽しんでもらうこと”は、構造としてはあまり変わらないと考えた時にすごくしっくりきたので、今の会社を選びました。
社会人になって分かる、自分の“好き”と仕事との最適な距離
――杉村さんと後藤さんは、学生時代の“好き”をそのまま仕事にするという選択肢はありましたか?

後藤さん
後藤:もちろん、考えはしたんですけど、子どもができたりおじいさんになったりした時に誇れる仕事をしたいという、中長期的な夢を追ってみたかったんです。自分の仕事で少しでも世界が豊かになったらいいな、という気持ちで決めました。
杉村:演奏家という選択肢も考えましたが、300人を超える大所帯のワセオケで、人がたくさん集まるとできることの可能性が広がるな、と感じたんです。だから、会社という人の多い組織で仕事をすることで、私の力を発揮できるのではと思いました。
写真左:学生時代の杉村さん。トロンボーンを担当し、ワセオケの代表を務めていた
写真右:名古屋芸術文化センターでの演奏会のリハーサルにて。2025年社会人になった後、急な助っ人として参加したという
――社会人生活をスタートして、オンとオフを分けて良かったと感じましたか?
後藤:今、すごく充実しています! オフで思い切りリフレッシュすることで、オンで力を最大限出し尽くせて、両面を楽しめているんです。逆に“好き”を仕事にすると、仕事で嫌なことがあったときに、好きを好きでいられなくなるかもという心配もあったので、今の状態が自分には合っているのかなと感じています。
写真左:入社1年目、会社の同期と富士山に登山した後藤さん(写真中央)
写真右:入社4年目、エジプトへ旅行した時に、ピラミッドの前で。これまで30カ国以上旅行したそう
杉村:田邊さんと佐藤さんはどうでしょうか?

佐藤さんの卒業論文発表。心理学を専攻していた
佐藤:私は、自分の“好き”の中に、唯一得意だなと思える“文章を書くこと”が含まれていたんです。そのスキルを仕事として毎日使うことで、さらに伸ばすことができるのはすごく恵まれた環境だと感じています。
田邊:私の場合、一緒に働く同期や先輩がみんな音楽を好きだという環境が有り難くて。50~60代の先輩とも音楽の話で盛り上がれて、そういう先輩方が仕事で真摯に音楽に向き合っている姿を見ていると、私もこんなふうになりたいと目標ができました。
“好き”を仕事にする難しさと、趣味を続ける難しさ
――“好き”が仕事になると、オンとオフの区別がなくなってしまうことはないですか?

学生時代、サークル活動でバンド演奏をしている様子(右端でギターを弾いているのが田邊さん)
田邊:それはあります(笑)。好きな音楽を趣味で聴く時は、こういう音楽がかっこいいとか、バンドならではの美学みたいなものに直感的に惹かれることが多いですが、会社では“音楽を売る”という視点で考えるので、アーティストの思いだけを尊重するのではなく、多くの人に知ってもらうためにするべき施策について意見をする場面もあって。
最近はSNSで新しいアーティストを見つけると、「このプロモーション上手いな」ってつい仕事の側面から考えることもあって、純粋に楽しめなくなっているのかも…。
杉村:すごく分かります! 仮に私が演奏家になっていたら、自己実現とビジネスの目指す方向が違って苦しんだと思います。だから、ユーザーを楽しませたいという企業の共通理念の下、プロダクト作りに関わる働き方は自分に向いていたのかな。
――でも、仕事が忙しくなると、趣味に時間を割くのが難しくなりませんか?
杉村:時間は作るものです! 会社には「この日は演奏会があるので休みます」と力強く宣言する。そのために働いているっていう気持ちを強く持って、仕事にも取り組んでいます。
後藤:おっしゃる通りです(笑)。
佐藤:私も会社自体はフルフレックスなんですが、忙しいときは夜遅くまでの勤務になってしまうこともありますね。書籍の企画から宣伝まで幅広く携わる業務の特性上、自分の裁量に任される部分が多いので、好きがゆえに時間をかけすぎてしまうことも。
田邊:確かに、仕事が楽しくなるとついオンオフの切り替えが曖昧になってしまいますが、やっぱり1年間働いてきて最低限の休息は取らないとダメだと痛感しています(笑)。

――では、皆さんのオンやオフについて、今後の目標を教えてください。
後藤:花王は国内ではほとんどの人に知られていますが、海外だと国や地域によっては、まだあまり知られていません。だから、花王の素晴らしい製品やサービスを世界中に届けて、世界の人々の生活の質を少しでも向上させたいという夢があります。オフタイムでは、旅行などを通して異文化交流を続け、さまざまな国で自分が知らない文化や人に出会い、視野を広げていきたいです。
杉村:オンでもオフでも“ものの伝え方”は大事だと思うので、仕事の面では良い伝え方ができるマーケターになりたいです。オフでは最近、自分の代のワセオケ卒業生が中心になって、社会人のアマチュアオーケストラを企画しています。子どもたちが騒いだり泣いたりしても大丈夫な演奏会や、クラシック初心者が来やすい演奏会など、アマチュアだからこそできることがあるんじゃないかなって。2027年1月には、ホールをおさえて演奏会を開催する予定です。
写真左:会社ロゴの前で、ポーズをとる後藤さん
写真右:昼休みには見晴らしの良い社員食堂をよく利用するという杉村さん
佐藤:出版業界はかなり厳しい状況ですが、そんな中でも売れている本は意外とたくさんあります。自分の企画した本がヒットにつながるように、本だからこそ買いたくなる価値のある企画をつくり出せるような編集者になりたいです。
田邊:まだ世間に見つかっていないけど、素晴らしい音楽を生み出している方たちはたくさんいるので、そういう方々が音楽を仕事にしていけるようにお手伝いをしたいという目標があります。オフタイムに取り組んでいるバンド活動も頑張りながら、会社の仕事に全力で取り組んで、その方法を両軸で模索していきたいです。自分の生涯を通して、大好きな音楽に還元できる人材になれたらいいなと思っています。
写真左:ゲラの確認。佐藤さんの仕事道具、必需品の赤ペンと青ペンと一緒に
写真右:休日、友人と公園へ出かけた時の田邊さん
――最後に、早大生に向けてメッセージをお願いします。
後藤:最初は会社の選び方なんて分からないと思いますが、その会社に入って中長期的に楽しめるかどうかをイメージしてみてください。会社からの情報だけでなく、そこで働く先輩方の声も聞いてギャップを埋めていく作業も必要だと思います。
佐藤:とにかく説明会や面接にたくさん行ってみてください。就職した後もギャップを感じることはあるかもしれませんが、そんなときこそ「自分はどう働きたいのか」「何なら納得できるのか」を考え続けることが大切だと思います。
杉村:希望する会社に入れたとしても、配属部署によって業務内容も働き方も変わるので、常に能動的に自分の価値観を問い直し、自分が挑戦したいことを発信し続ける姿勢も必要だと思います。仕事に求めるのはやりがいなのか、お金なのか、常に見つめ直して心身ともに豊かになる選択をしてください。
田邊:会社はビジネスですから、やりたいことだけをやればいいわけではないし、自分が思うのとは違うやり方がいい場合もたくさんあります。もし、“好き”を仕事にするか迷っているなら、“好き”に対する思いを曲げることがあっても、好きでいられる覚悟があるか自問自答していくと、後悔のない選択ができると思います!
仕事の必需品を持参してもらいました。左から、情報がどのように生活者に届いているかを確認するスマホ(後藤さん)、さまざまな仕事を管理しているPC(杉村さん)、ゲラの確認などに使うiPad(佐藤さん)、挨拶には欠かせない名刺と名刺入れ(田邊さん)
キャリアセンター主催就活イベント
早稲田大学キャリアセンターでは、就活に関するイベントを開催しています。詳細は、キャリアセンターWebサイトを確認してください。

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<27卒向け>6月採用マッチング会
対象:27卒生、既卒3年以内の卒業・修了生
目的:内定を持っていない、もしくは就活継続中の学生を対象にした企業とマッチングできるイベントです。2026年は83社が参加予定で、座談会を開催します。「エントリー方式」「スカウト方式」の両方に参加することができ、特典付きの選考が受けられます。
日程:6月4日(木)~6日(土)(企業グリーティング&座談会)
場所:早稲田キャンパス 国際会議場(対面開催)
<28卒向け>採用選考体験シリーズ
対象:28卒生
目的:本選考でよく出るグループディスカッションやケース面接、人気の高い業界(総合商社、広告)についてなど、複数のテーマで講座を開催し、他大生と一緒に体験できます。
日程:6月中に複数回開催
場所:オンライン開催(一部対面開催のみ)
※ 運営は学外業者に委託しています
<令和8年度受験者対象>公務員面接・官庁訪問対策講座(実践編)
対象:令和8年度公務員受験予定者
目的:外部講師が面接官役となり、本番さながらの模擬面接を行います。面接の実践と講師からのフィードバックで十分な対策を行い、学生が自信をもって本番に臨めることを目的にしてます。
日程:6月6日(土)
場所:戸山キャンパス 学生会館3階 キャリアセンターセミナールーム(対面開催)
キャリアセンターWebサイト:https://www.waseda.jp/inst/career/
取材・文:末光 京子(1998年理工学部卒)
撮影:布川 航太
【次回フォーカス予告】6月8日(月)公開「軽井沢セミナーハウス」
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