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早稲田大学教育学部理学科への招待状

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Sat 31 Dec 22

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Sat 31 Dec 22

最先端の科学を体感できる四年間

―― 早稲田大学教育学部理学科の特徴と、両先生の専門分野を教えてください。 

太田:教育学部の理学科と聞くと「中学・高校で理科を教えるための知識や授業のテクニックを学ぶところ」というイメージを持たれるかもしれません。しかし早稲田大学教育学部は、理系科目の基本となる物理・化学の知識も磨いた上で、最先端の科学に触れながら四年間じっくりと研究を行うことに主眼を置いています。

富永:各自がテーマを設けて取り組んでいますから、大学院への進学率も非常に高いです。また学校教員も単に理科の教員免許を持った学校教員ではなく、「最先端の知識を持った理科教員」を輩出しています。

太田:私は地球科学専修で地質学を教えていますが、専門は「古環境」(過去の地球環境)の復元です。25億年前から現在までという広い年代を対象に、当時の泥や砂が岩石化したものを採取して化学組成を分析し、その時代の気候や降水量などを推定しています。私のゼミでは岩石採取などのフィールドワークを行い、直接「地球そのもの」に触れることが多いので、地質に興味がある人は、知的好奇心や探究心を大いに伸ばせるのではないでしょうか。

富永:私は太田先生とは対照的にミクロの領域、生物学の中でも細胞生物学が専門で「原形質流動」という現象を研究対象としています。原形質流動というのは植物の細胞内で起きる運動で、植物によって速度や動きが異なります。現在は遺伝子組み換え技術を駆使して、運動速度が一般の陸上植物の約10倍ある車軸藻(シャジクソウ:約4億7千万年前から現存する藻類)の原形質流動に関連するDNAを他の植物に移植し、どんな変化があるかを探っています。研究には緻密な観察やデータの解析が不可欠ですが、TWInsには最新の計測機器や培養施設などが整備されているので、研究者にとって最適な環境ですね。

基礎科学研究が持つ大きな可能性

―― 理学科では基礎科学を学ぶと聞きました。応用科学との違いは何でしょうか。 

富永:一般に応用科学は「利便性を向上させたり、社会を発展させたりするための実用性の高い科学」であり、基礎科学は「好奇心や探究心を原動力として、一つの分野を、長い時間をかけて究めていく科学」であると言われています。同じ早稲田大学でも理工学部は応用科学が中心ですし、基礎科学が学べる理系の私立大学は意外と少ないのが現状です。しかしこれからの時代は、ある意味で応用と基礎という境界がなくなってくると思います。

太田:たとえば富永先生や私の研究は、現在世界規模で取り組んでいる地球温暖化問題とも深い関係があります。地球はかつて何度か温暖化を経験していますが、私の研究分野(古環境の復元)で過去の温暖化の際に起きた気温の上昇傾向や大気の組成変化などを解析すれば、将来の温暖化防止に役立ちます。基礎研究は関連したテーマと結びつくと、新しい可能性がみえてくるのです。

富永:私の実験でも、原形質流動を速めると植物が大型化することがわかってきました。これを進めて穀物やバイオエタノールの原料であるトウモロコシなどに応用できれば、食糧問題やエネルギー問題の一つの解決策になるかもしれません。

太田:これからは他分野との交流・連携が重要になってきますね。そういう意味でも早稲田大学の教育学部は文系・理系合わせて12の学科・専攻・専修を擁し、他学科の科目も履修することができるので、他分野という外的刺激に触れる機会は他大学よりはるかに多くあります

富永:考えてみれば、自分の専攻以外も深く学べるというのは貴重ですね。例えば同じ理学科の中であっても、太田先生が解析した過去の地球温暖化時の植物分布などから、その当時の植物の大きさや状況がわかれば、さらに深く正確な研究ができるわけで、この自由さというか広がりの大きさが、「実用性」にとらわれない基礎科学の魅力ですね。

太田:ぜひ早稲田大学教育学部で、自分にとって興味あるテーマを徹底的に追究してほしいですね。好奇心・探究心を持ったみなさんと一緒に研究できる日を楽しみにしています。

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