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シェイクスピア・リーディング公演『コリオレーナス』出演学生インタビュー(文学部学生・大塩 誠至さん)

全ステージ満員のお客様に恵まれました!

2018年1月12日~14日、早大生によるシェイクスピア・リーディング公演を早稲田小劇場どらま館にて上演しました。第2回となる今年の演目は、共和政ローマに題を取った悲劇『コリオレーナス』。シェイクスピア最後の悲劇作品ながら今日では舞台にかかることが稀な、あまり知られていないこの作品ですが、今回の公演は全ステージ満員のお客様に恵まれました。中には昨年(第1回)の『ヴェニスの商人』から続けて観てくださった方もおり、企画として注目を集め始めていることを実感するともに、坪内逍遙に始まるシェイクスピア研究とその実践の伝統を受け継ぐ私たち早大生が、実際に舞台に立ち、観客を前にシェイクスピアの言葉を伝えることの意義の深さを改めて感じました。

『コリオレーナス』の魅力

シェイクスピアの戯曲は、400年以上前の英国で書かれたものでありながら、どの作品にも必ずどこかに現代の我々や、我々を取り巻く社会に通じるものがあります。中でも今回の『コリオレーナス』は、愚かな民衆とそれを無責任に扇動する者、不寛容で民衆の目には不遜にも映る指導者、そしてそれら相互の間に生まれる不信感と無理解が破滅を導く政治劇であり、現代社会の抱える種々の問題の本質を正面から言い当てたかのような作品です。『コリオレーナス』という作品には、古めかしく取っ付き難い、どこか色褪せた古典演劇という一般的なシェイクスピアのイメージにはおよそ当てはまらない力強さが眠っています。

「まるでオペラのようだった」「数多ある公演の上を行く作品」といった絶賛の声!

稽古期間が限られている上に、14人の演者の半数近くが舞台経験のない初心者でしたが、最後には朗読の枠に留まらぬ激しいアクションも加えた力強い舞台に仕上がりました。本番での来場者アンケートでは「まるでオペラのようだった」「数多ある公演の上を行く作品」といった絶賛の声も多くいただき、忘れられない強烈な体験となりました。これほどまでの評価と反響を得られたのは、言葉を届けるということを主眼に据えた演出家・西川信廣氏のご指導のもと、等身大の学生が、背伸びをしすぎない生身の感性をもって、シェイクスピアの難解ながらも熱量に溢れる台詞と格闘してこそのことと思います。

この企画を末永くいつまでも・・・

私たち早大生が台本を片手に、手探りで荒削りながらも真正面から挑んだこの舞台は、文学史に冠絶するシェイクスピアの輝きを改めて伝えるに足るものであり、その唯一無二の魅力と意義は存分にお客様にも届いたものと信じています。今回の舞台に立った者として、この企画が今後末永く継続、発展し、より多くの人に早大生の熱量とシェイクスピアの真髄を目撃してもらいたい。そう願ってやみません。(報告:大塩 誠至・早稲田大学文学部学生)

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