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2023年度卒業式を挙行しました

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Fri 29 Mar 24

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2024年3月25日(月)・26日(火)、戸山キャンパスの早稲田アリーナにて、2023年度学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院学位授与式を執り行いました。学部卒業者7,890名、芸術学校卒業者62名、修士課程修了者1,998名、専門職学位課程修了者540名、博士学位受領者200名、合計10,690名が、早稲田の杜を巣立ち、新たな門出を迎えました。

式典は2日間4回に分けて実施しました。来場者の安全確保と地域交通への影響を鑑み、式典への参加は卒業生、修了生のみに限定し、保護者の皆さま向けに早稲田キャンパス内に同時中継会場を設けるとともに、ライブ配信をご覧いただけるようにいたしました。
※式典当日のアーカイブ映像に関しては、本ページの末尾をご覧ください。

式典では、総代、博士の学位記授与に続き、田中愛治総長より卒業生へ式辞が送られました。また、学術・スポーツで特に優れた成果をあげた学生または団体に対して授与される小野梓記念賞の紹介が行われました。今年度の小野梓記念賞は、学術賞9件、芸術賞2件、スポーツ賞11件でした。
2023年度 小野梓記念賞受賞者一覧

総長式辞

卒業生の皆さん、ご家族・ご親族の皆様、ご卒業おめでとうございます。卒業される皆さんはもちろん、これまで卒業生を支えてこられたご家族・ご親族の皆様も、たいへんお喜びのことと存じます。本日は、早稲田大学を代表して、私からお祝いの言葉を申し述べたいと思います。

田中 愛治 総長

田中 愛治 総長

今年の卒業生は、特別な思いを持って、卒業されることと思います。学部を卒業される皆さんの多くは、2020年4月に新型コロナウイルス感染症拡大の最中に入学されました。そのため、入学式を執り行うことが出来ませんでした。

また2020年度は、ほぼ1年間を通してオンラインで授業を受けていただくことになりました。2021年度からは徐々に対面の授業を復活させてきましたが、学生生活においては2022年度末まで、3年間もの間、大きな制約がありました。例えば、学生同士のコンパも、昨年、2023年の4月まで解禁できませんでした。振り返ってみれば、皆さんはずっと十分な学生生活を享受することが出来なかったと思います。それは、学部生に限らず、大学院生も、芸術学校の生徒の皆さんも同様に、相当に制約された学生生活を送ったことと思います。しかし、早稲田の学生の皆さんは全員がよく自制をしてくださり、この4年間、学内で大規模クラスターを発生させることはありませんでした。皆さんのご協力に心から感謝いたします。

このように、皆さんも、私たち早稲田大学全体も、コロナ・パンデミックに振り回されてきたわけです。皆さんのなかには、最も充実すべき学生生活の多くが失われた、という感覚をお持ちの方もおられるでしょう。しかし、コロナ・パンデミックの経験をネガティブに捉えず、この辛い経験が役に立つときがある、と信じて進んでいただきたいと思います。皆さんは、若い学生時代に辛いことを経験したのですから、他の世代より一層強く逞しくなっていると思います。

今、私は「逞しくなる」という言葉を使いました。実は、私が5年半前、2018年11月に総長に就任してから提唱してきた理念が、「たくましい知性」を鍛えること、そして「しなやかな感性」を育むことなのです。

「たくましい知性」とは、どういう知性でしょうか。今日、人類が直面している問題の多くには、正解がありません。たとえば、コロナ・パンデミックへの対策には、これが正解と証明されているものはありませんでした。同様に、地球の温暖化による気候変動への対策も、地球上の至る所に存在する貧困と格差の解決法も、また世界各地で起きている戦争・紛争・武力侵攻によって多くの人々が命を落とし、人権侵害が続いている状態など、どの問題も正解を見つけにくい大きな問題です。

皆さんが社会に出て向き合う問題の多くは、このように正解が教科書や専門書に記されていない場合が多いと思います。武力による人々への人権侵害やコロナ・パンデミックなど、いま私が例に挙げた、人類全体が直面している問題ほどには大きくはないとしても、皆さんが今後人生で向き合う問題には正解のないものばかりでしょう。そのような未知の問題に果敢に挑戦して、自分の頭で自分なりの解決策を考え出す力、これを私は「たくましい知性」と呼んでいます。

もう一つ大切なことは、「しなやかな感性」を育むことです。すなわち、異なる国籍・エスニシティ・言語・宗教・文化・信条・性別・性的指向を持つ人々に対して、敬意をもって接することです。そうした利他の精神を身につけることで、「しなやかな感性」は涵養されます。とくにコロナ・パンデミックでは、国や民族の違い、あるいは経済的な格差により、弱い立場の人々がいっそう苦しむことになったと思います。そのことを肌で感じる経験をした皆さんは、より一層「しなやかな感性」を育むことができたと思います。

さらに、私が2022年に加えた3番目の理念は「響きあう理性」です。この理念は、自分と異なる考えを持つ人の意見にも耳を傾け、対話を通して互いに高めあうことを奨励しています。特に、早稲田という研究大学で学んだ皆さんは、ご自身の知性に自信を持つと同時に、他の人の理性にも敬意を表してもらいたいと願っています。

私は、皆さんには早稲田大学で学んだ「たくましい知性」「しなやかな感性」「響き合う理性」の大切さを心に刻み、今後の人生に生かしていただきたいと願っています。皆さんが、その考え方を貫いて、社会に出て仕事をしていけば、世界は、人類社会は、もっと平和で、もっと公平で、もっと良くなるだろうと思います。

現在、早稲田大学が目指しているのは、「世界人類に貢献する人材の育成」であり、すなわちグローバルリーダーを生み出す大学になるということです。しかし、早稲田が考えるグローバルリーダーとは、必ずしも国際連合などの国際機関や国際的な企業で働くことばかりではありません。我々が早稲田で考えるグローバルリーダーのイメージとは、世界の何処にいても、どのような小さな村や町にいようと、どんなに小さいNPOや企業や自治体で仕事をしていようと、その卒業生が常に世界人類のためと思って仕事をしていれば、その人はグローバルリーダーなのだというものです。これが、我々が考えるグローバルリーダーのイメージです。皆さんも、是非ともその意味で、グローバルリーダーとして活躍してください。

皆さんは、早稲田で学んだことに自信を持ち、コロナ・パンデミックの中で苦しい学生生活をやりきったことを誇りとして、今後の人生を切り開いてください。
卒業後も、時々は母校に帰ってきてください。その時には、今よりも輝いている早稲田で、今よりも輝いている皆さんとお会いしましょう。

卒業生諸君、本日は、ご卒業、本当におめでとう!

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早稲田大学校友会代表幹事 挨拶

早稲田大学校友会代表幹事 萬代 晃 様

ご挨拶に先立ちまして、2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」において、犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災されたすべての方々に心よりお見舞いを申し上げます。また被災地域の皆様の安全の確保を心よりお祈りいたします。

さて、本日ご卒業の皆さん、そしてこれまで皆さんを支えて来られたご家族・ご親族の皆様、ご卒業、誠におめでとうございます。
みなさんが入学をした2020年春から新型コロナウイルス感染症が世界的な流行となり、社会や人々の生活に深刻な影響を及ぼしました。皆さんにとっても、この約4年間は勉学や課外活動をはじめとする学生生活を継続する上で、沢山の苦労を重ねたことと思います。そして本日、皆さんは特別な思いで卒業式を迎えられたことでしょう。だからこそ尚更、卒業生の皆さんを心からお祝いするとともに、校友会の代表として是非メッセージをお届けしたいという熱い気持ちで、今は胸が一杯でございます。

皆さんは、卒業と同時に全員の方がもれなく早稲田大学の校友となり、校友会の会員となります。現在の校友数は約68万人。日本全国の地域、年次、職域、海外など約1,400の稲門会が組織され、活発に活動しております。早稲田の誇りはこの68万人の校友のパワーです。企業人・経営者はもちろんのこと、総理大臣から地域の世話役、政治家、官僚、法曹、芸術家、医者、ジャーナリスト等々、日本はもとより世界中のありとあらゆる分野で校友が活躍しており、社会の最前線で多くの校友が地域に、そして世界に貢献しています。このような早稲田の校友の多様性が早稲田の活力であり、誇りです。

また、近年様々な分野で女性の校友の活躍は目覚ましく、本日のご卒業者のうち約4割をしめる女子学生の皆さんもおおいに勇気づけられることと思います。 こうした偉大な伝統を受け継ぎ、私たち校友会は、今後も多くの皆様にご参加いただきながら、「ともに世界へ ともに未来へ」の合言葉を掲げて、「心の故郷(ふるさと)、早稲田」とともにあり続けたいと願っています。

早稲田大学を本日無事に卒業される皆さんは、誰もが経験したことの無い、言わば“答えのない未来”を担っております。現在、世界は、地政学上の混乱や生成AIの劇的な進化など、政治・経済・社会制度の大きな変革の真只中にあり、先行きの不確実性は益々高まっております。しかし、このような時代だからこそ、既成概念にとらわれず新しいものに挑戦する早稲田的な人材が求められています。
今後、皆さんが歩んでいかれる途中には、楽しいことや嬉しいことばかりではなく、辛いこと、悲しいことなど大きな困難が待ち受けているでしょう。早稲田で身に付けた「たくましい知性」、「しなやかな感性」そして「ひびきあう理性」に更に磨きをかけ、この早稲田で学んだという誇りと進取の精神を持って、日本中、いや世界中の人々の心を動かし、感動を与え、世界に大きく貢献できるような人になってください。そして、卒業して早稲田の杜を離れても、「早稲田」という絆は皆同じDNAで繋がっています。早稲田の杜を巣立ち、世界中で活躍する68万人の校友の思いはひとつであります。

また、これから皆さんが実社会で活躍される中で、人材の宝庫・早稲田大学校友会という組織とネットワークを存分に活用されることも大歓迎であります。日本はもとより世界各地、各業界、各卒業年次など様々な稲門会が卒業生の皆さんをお待ちしています。是非、稲門会の扉を叩いて私たちの仲間に加わってください。皆さんを歓迎いたします。

最後になりますが、皆さんの傍らにはいつも母校である早稲田と校友の仲間がいて、勇気づけてくれることを忘れないで下さい。そして、ゆくゆくは母校の後輩である現役学生たちの力強い応援団としても温かいご支援をいただければと願っております。校友会のキャッチフレーズは「ともに世界へ ともに未来へ」です。卒業生の皆さん、世界へ!未来へ!是非力強く羽ばたいてください。

卒業5年後に、皆さんを大学にご招待するホームカミングデーで再会できることを心から楽しみにしています。あらためて、本日はご卒業おめでとうございます。

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卒業式アルバム

Waseda Live(式典アーカイブ映像)

2024年3月25日(月)

第1回 式典

政治経済学部 法学部 社会科学部
政治学研究科 経済学研究科 法学研究科 法務研究科 社会科学研究科

第2回 式典

文化構想学部 文学部 商学部 文学研究科 商学研究科 会計研究科 経営管理研究科

2024年3月26日(火)

第3回 式典

教育学部 人間科学部(通信教育課程を含む) スポーツ科学部 国際教養学部
教育学研究科 人間科学研究科 スポーツ科学研究科 アジア太平洋研究科 日本語教育研究科 国際コミュニケーション研究科

第4回 式典

基幹理工学部 創造理工学部 先進理工学部 芸術学校
基幹理工学研究科 創造理工学研究科 先進理工学研究科 環境 エネルギー研究科 情報生産システム研究科*
*情報生産システム研究科は北九州キャンパスにて実施。

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