野田総理は3歳の時に社会党の浅沼稲次郎委員長(政経卒)が暗殺されたニュースを見て「政治家というのは命がけなんだな」と政治を意識し始めたとし、五木寛之氏(一文中退)の「青春の門」を読んで憧れていた早稲田大学に入学したというエピソードを披露。「当時は大志ではなく寸志でした。金儲けばかりの政治をペンでただそうと記者を志していましたが、松下政経塾第1期生の新聞広告を見て、自分の手で政治をただしたい、政治改革家を目指そうと思いました」などと青年時代を振り返りました。
現在の政治課題については「社会保障と税の一体改革」を主なテーマとして、少子高齢化が進む中で年金、介護保険、健康保険などのさまざま制度の課題を挙げて「決めるべき時に決める政治を果敢にやり遂げる」とし、「失敗の最大の要因は自分が諦めるとき。自ら諦めない限り失敗はありません。粘り強い心を持って、一つ一つ課題を乗り越えていきたい」と力強く述べました。
講演後は6名の学生の質疑に応えた野田総理。日本の科学技術振興の在り方や外交政策、国民の政治不信に対してどのように応えるかなどについて語り、「これからの日本人に期待するもの」という質問では「希望は自ら切り開くもの。在野精神の早稲田に期待したい。ツルハシを担いで道を切り開いていくという早稲田スピリッツを出してほしい」と、若い学生たちの活躍に期待を込めました。
最後は恒例の早稲田大学校歌斉唱。応援部のリードによる“都の西北”に送られて、会場を後にしました。
以 上