
会場の様子

岡芳明特任教授
世界に大きな影響を与えた福島第一原子力発電所事故を受け、原子力のあり方を考える「未来エネルギーシンポジウム『東電福島原発事故とその教訓』」が、7月15日、西早稲田キャンパスで開かれました。
早稲田大学は東京都市大学とともに、原子力関連の研究教育を行う共同大学院「共同原子力専攻」を2010年4月に開設しました。同大とともに継続的にシンポジウムを実施していますが、今回は原発事故の分析と教訓が大きなテーマとなりました。
シンポジウム冒頭であいさつに立った本学理工学術院の橋本周司教授は「原発に関しては様々な意見があるが、止めるにせよ続けるにせよ大変な仕事。我々に何ができるかが問われている」と強調しました。続いて、研究者・ジャーナリストが事故の原因や経過や対応、健康への影響など、それぞれの専門分野について講演を行いました。
共同原子力専攻の岡芳明特任教授は、事故の経過と課題を分析した上で、社会的事故を防ぐための国際ネットワーク構築の必要性や、安全確保の仕組みの抜本的改善の必要性などを提言しました。また、北海道大の奈良林直教授は、事故収束が遅れた最大のポイントとして、同原発1号機の自然冷却系がバッテリー喪失で作動しなかったことを挙げ、「しっかりした事前検討と対策がなされていれば、より早期に収束できた」と強調しました。
このほか、出席者からは多くの分析や提言がなされました。国民の暮らしに直結するテーマだけに、来場者は真剣な表情で聞き入っていました。
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