久慈市の久慈琥珀(こはく)博物館の琥珀採掘体験場で、白亜紀後期の8,500万年前の翼竜の一部とみられる化石(長さ16.8センチ、幅2.0センチ)を発見したことが7月7日に発表されました。鑑定したのは本学国際学術院(国際教養学部)の平山廉教授。平山教授によると、これまで国内で確認された翼竜の化石では最大で、東北地方では初めてだということです。
今回発見された化石は、久慈琥珀博物館で7月8日から9月4日まで一般公開されています。
平山教授コメント「岩手県久慈市の中生代白亜紀(約8,500万年前)から見つかった翼竜化石」
今回のニュースで報道された化石は、翼竜(よくりゅう)といって大きな翼を持ち、大空を飛んでいたと考えられる爬虫類の仲間であるが、中生代白亜紀の終わり(約6,500万年前)にすべて滅びてしまった。見つかった化石は、長さ16.8センチ、左の薬指の付け根の部分(中手骨:手の甲を形成)であり、翼のちょうど真ん中に相当する。翼の差し渡しは3メートルほど、現在のアホウドリほどの大きさだったが、翼竜としてはむしろ小型である。骨の内部が中空であるという特徴から、体が軽く、空を飛ぶ動物であることが分かった。さらに翼竜の中手骨にしかない大きな出っ張りが骨の端に見られることからその正体が判明したという次第である。翼竜の骨は脆くて壊れやすいため、化石が見つかることは非常に稀である。日本では、これが6例目の発見にすぎず、また国内で見つかったものでは最大の翼竜であった。私が記者発表をおこなった久慈琥珀博物館には14社の報道陣が集まり、翌日の朝刊の1面に記事が掲載されるなど大きな反響があった。このようなニュースが、震災からの復興にいくらかでもお役に立てば望外の喜びである。