グリーン・コンピューティング・システム研究開発センターをオープン
記念シンポジウムでメニーコア技術など産学共同の先端研究を報告
2011/05/24
早稲田通りに面しているグリーン・コンピューティング・システム研究開発センター
早稲田大学(総長:鎌田薫)は、経済産業省「産業技術研究開発施設整備事業」による支援を受け、新たな産学連携研究の拠点として「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター(早稲田大学40号館)」を4月13、喜久井町キャンパスに竣工し、5月13日、「グリーン・コンピューティング・システム研究機構」(機構長:松島裕一)の拠点として、正式に開所いたしました。
同センターでは、冷却ファン不要で低消費電力、高性能、さらにコンパクト、静かであり、太陽電池でも駆動できる国際競争力の高い次世代マルチコア・メニーコアのハードウェア、ソフトウェア、応用技術の研究開発を行うとともに、産学共同で次世代高付加価値技術を創出する人材の育成を目指します。東日本大震災の影響により、国内の電力をとりまく状況は様変わりしましたが、環境に配慮した最先端の技術・研究を産み出すことでも、早稲田大学は社会への貢献を果たそうと考えております。
同機構の設立と同センターの開所を記念して行われたシンポジウムでは、鎌田薫総長が「理工系実験研究の拠点として展開している喜久井町キャンパスの新たな顔となる。活発な産学官共同研究が展開され、低炭素社会実現と国際的な産業競争の強化に大きく貢献する研究開発拠点となると確信している」などとあいさつし、その後、超低消費電力プロセッサ、クラウド・システム、スマートグリッド等、様々な次世代ICT技術に関わる研究を進めてきた本学の研究者、産業界の研究者により、同センターで実施される最先端の産学共同研究について報告。研究の中心となる自然冷却が可能で太陽電池で駆動ができる超低消費電力で高性能なマルチコア・メニーコアプロセッサ技術とそれを中心としたグリーン・コンピューティング・システムの将来について紹介しました。
また、これらを達成するためのアーキテクチャ、チップ設計技術、コンパイラ技術、ソフトウェア技術などの要素技術、さらにはこのプロセッサを利用したサーバー・情報家電・ロボット・自動車、医療等への応用技術などの研究課題も報告されました。
グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター概要
地上8階建。1階には国際会議の対応が可能な160席(1F)収容のプレゼンテーションルーム、2階には最先端メニーコアサーバーを設置したサーバールームと100席収容のプレゼンテーションルーム、3~7階の研究スペースはセキュリティに配慮した産学協同研究フロア(3~4階)と、ガラスの壁を採用するなどオープン性を高めた研究員フロア(5~7階)からなる。また、屋上にサーバー駆動実験用の太陽光発電パネルを装備し、共用部照明・誘導灯にはLED照明を使用するなど環境に配慮した。
・住所 新宿区早稲田町27
・延床面積 5,155.11㎡
・階数 地上8階
・構造 鉄骨造 基礎免震構造
ご参考
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産学官各界の研究者が集まった記念シンポジウム | ソーラーパネルによる電力を利用して駆動する、日立製作所(右)と富士通(左)から納入された最新鋭サーバー |
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産学官各界の研究者が集まった記念シンポジウム | ソーラーパネルなど環境に配慮した設備について説明する理工学術院・笠原博徳教授(右) |
以上