顕彰状 寺島実郎氏

寺島実郎氏は、1947年北海道に生まれた。1973年に早稲田大学大学院政治学研究科修士課程を修了し、同年三井物産株式会社に入社、1987年に米国三井物産のニューヨーク本店情報企画担当課長、1991年から1997年まではワシントン事務所長を務めた。1997年三井物産業務部総合情報室長、1999年株式会社三井物産戦略研究所長に就任し、2005年からは同研究所社長を兼務した。その一方で、2001年から2006年まで財団法人日本総合研究所理事長、2006年から現在までは同研究所会長を務めている。2009年4月、多摩大学の学長に就任すると同時に三井物産戦略研究所では会長となった。

寺島氏の卓越した判断力・提言力は政府の政策決定においても多方面で発揮されている。文部科学省 中央教育審議会委員、環境省 日本カーボン・オフセット・フォーラムのアドバイザー、内閣官房 宇宙開発戦略本部宇宙開発戦略専門調査会座長や地球温暖化問題に関する懇談会委員、国土交通省 建設業等の国際展開支援フォーラム座長など数多くの要職を歴任している。

2009年、鳩山由紀夫内閣誕生後は、民間から首相を支えるブレーンの一人として外交・安全保障面のアドバイスを求められる立場ともなっている。これに加えて、社団法人日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の日本創生委員会委員長など、民間団体においての活躍も大きい。

1994年に第15回石橋湛山賞を受賞した『新経済主義宣言』をはじめ、『1900年への旅―あるいは道に迷わば年輪を見よ』『「正義の経済学」ふたたび―日本再生の基軸』『われら戦後世代の「坂の上の雲」-ある団塊人の思考の軌跡』『二十世紀から何を学ぶか―1900年への旅(上)(下)』『脳力のレッスンⅡ-脱9.11への視座』など数多くの著書を出し、各界から高い評価を得ている。

また、2000年に、経済誌「経済界」が年に一度、その年に目覚しい活躍をした財界人に贈る賞である「経済界大賞特別賞」を受賞、2006年には経済産業大臣表彰 個人表彰「情報セキュリティ促進部門」を受賞している。

国内外における豊富な人脈、幅広い知識と的確な判断に裏付けられた経済、外交、安全保障などへの提言に定評のある寺島氏は、産業界に軸足を置きながら、官界、学界、民間とも深い関係を保ち、一つの業界に限定されないまさにマージナルマン(境界人)として活躍し、各界を牽引してきた。企業、社会、教育といったさまざまな分野を複合的な視点で見通し、それぞれの分野に等しく貢献してきた寺島氏の功績は大きい。

早稲田大学においても、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科・センターならびに商学学術院総合研究所において、1998年から2009年まで客員教授を務め、後進の指導に当たるとともに、本学の教育研究の発展に多大な寄与をした。

早稲田大学は、今後、境界人として活躍できる人材の育成に力を注いでいくが、今回その道を切り開いてきた寺島氏の経験と、功績をたたえることは、誠に時宜にかなっていると言うべきである。

ここに早稲田大学総長・理事・監事・評議員ならびに全学の教職員は一致して 寺島実郎氏に 名誉博士(Doctor of Laws)の学位を贈ることを決議した。

学問の府に栄えあれ! 大学が栄誉を与えんとする者を讃えよ! (Vivat universitas scientiarum! Laudate quem universitas honorabit!)

2010年4月2日

早稲田大学

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